【旅エッセイ】
台北・出発前に朝ごはんはしご

旅とエッセイ

〈旅日記1〉 台湾(台北・台中)

4日目 朝

台北101のカウントダウン花火鑑賞の後、混雑に巻き込まれずにホテルに帰ってこれた私たち。いつものように寝坊するかと思いきや、意外と早く起きられた。

チェックアウトまでまだ時間があるので、着替えて朝ごはんへ繰り出す。

ホテルのそばにあるローカル店を探して、辿り着いたのは大腸麺線の専門店。

朝から大好物の麺線が食べられるなんて夢のよう!

かつおのだしが効いていて、ホルモンが主張しすぎず、朝にちょうどいいあっさり味。初日の夜に食べた阿宗麺線とはまったく別物で、でもどちらもおいしい。

お店の名前は、阿鑫麺線 南陽店。南陽街という通りにある。

インターネットで調べたら24時間営業という情報もあったけれど、別の日の深夜に訪れたら売り切れと言われてしまった…まあ、そういうときもありますよね。

阿鑫麺線のとなりに、上頂皇家素食水煎包という小吃店があるのを発見。

「素食」ということはベジタリアン? 店頭にはたくさんの饅頭と餃子が並んでいる。こちらも気になったので、ついでに食べてみることにした。

高麗菜包と豆漿をオーダー。

焼き目がついた菜包はふっくらとしていて、手作り感あふれる素朴なおいしさ。日本円で200円も出せば、これが食べられるというのがすばらしいわん。

ひと息ついてから、もう少しだけ周囲を見てみたいねと歩き出すふたり。どちらも朝はめっぽう弱いのに、旅先だとびっくりするくらい元気に動けるのが不思議…。

老虎醤 温州大餛飩という看板にひかれて、お店の前で立ち止まる。

「餛飩」とはワンタンのこと。台北市内によくある、ワンタンのチェーン店のようだ。

辛そうな混ぜそば「香辣老虎麺」も食べてみたかったけれど、今回はスープでがまん。注文したのは鮮肉大餛飩湯。

ワンタンはあつあつで、薄めの皮がとろっとしている。溶き卵と海苔、ねぎのバランスもいい感じ。飽きることなくするりと完食。この選択は正解だった!

満腹になりながら、そのあとのスケジュールを話し合う。

静かな朝、人の少ない食堂や屋台でのんびりするのは、私たちにとって幸せなひととき。逆に、騒々しいほどにぎやかでもかまわない。人の集まる場所には必ずおいしいものがあるから。

日本語ではない会話を耳にしながら、異なる文化を持つ人々の日常を眺めるという行為。自分が何者でもないという感覚。旅先で感じるそれが、たまらなく好きなのだ。

ホテルに戻ってのんびり支度をし、チェックアウト。お昼前くらいに出発して、台北車站(台北駅)へ向かう。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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