【旅エッセイ】
台北で寧夏夜市と饒河街夜市を巡る

旅とエッセイ

〈旅日記1〉 台湾(台北・台中)

6日目 夜

台中から台北へ戻ってきて、最終日の観光とショッピングを満喫。夜はやっぱり夜市巡りだよね、と向かった先は寧夏夜市だ。

寧夏夜市は、MRTの雙連駅や中山駅からも徒歩圏内で、地元の人たちから観光客まで広く人気を集める夜市。売り物はいわゆるローカルグルメが中心だけれど、ゲームで遊べる屋台もたくさんある。

私たちはこの夜市が大好きだ。小さめの規模感は散策がてら見てまわるのにちょうどいいし、何よりおいしいものがたくさんある。

お腹が空いていたので、夜市を巡る前にお目当ての店へ直行した。圓環邊蚵仔煎という老舗のつくる蚵仔煎(カキのオムレツ)は絶品で、この味が忘れられなくて再訪したのだった。

蚵仔煎は卵のほかに片栗粉が入っていて、とろりとした食感を楽しめる。ぷりぷりのカキとキャベツの組み合わせも完ぺき! お好み焼きソース見たいな甘辛いタレは、日本人には懐かしい味わいだ。

ここでは店頭で、大きな鉄板にぎゅうぎゅうに生地をのせて蚵仔煎を作っているのを眺めることができる。一度に何人前ができあがるのだろう?

蚵仔煎のほかに茹でたカキもオーダーして、ビール片手に楽しむ。ほんとうはここの米糕(おこわ)もおいしいのだけれど…夜は長い。今回は我慢することに。

そのかわり(?)に、すぐ近くの蔡家嘉義火雞肉飯で、火雞肉飯をいただく。火雞肉とは七面鳥のこと。台湾にある嘉義という場所の名物グルメを台北でも味わえるのはとても嬉しい。

火雞肉飯はふつうの雞肉飯(チキンライス)と違って、お肉がしっとりしていて旨みが強い印象だった。醤油ベースのあっさりしたタレにはバターのようなコクがあってたまらない。あっという間に完食!

食後に夜市を一周してから、次の夜市へ向けてタクシーを拾う。

旅の締めくくりは、松山エリアにある饒河街夜市。台湾旅行をしたことがある方なら、士林夜市かここのどちらかには必ず足を運んだことがあるのでは?

約600mにわたる長い通りには、食べもの屋台やドリンクスタンド、手頃な価格の雑貨や服を買えるショップ、占いブースなどが並んでいる。

グルメ系に関しては、現在ミシュランビブグルマンに選ばれている何店舗かをはじめ、クオリティの高いフードを出すお店が多いのも特徴のひとつ。

胡椒餅、スペアリブの薬膳スープ、臭豆腐、滷味…ここに来れば、何かしら食べたいものが見つかるはず。

饒河街夜市に足を運ぶたび、訪れているのは東發號という麺線店。麺線マニアの私が、ランキングを考えるとしたら必ず上位に入れるだろうなというくらい好きなお店だ。

かつおだしの効いたスープはやさしくて、ほっとする素朴なおいしさ。煮込んで柔らかくなったホルモンも、ふんわりとしたカキも絶品! 長めの麺線はレンゲではなくお箸でツルツルいただくのがおすすめ。

食事を終えて、個性あふれる屋台のラインナップを眺めながらそぞろ歩き。台湾のドリンクは甘めのものが多くて、いわゆる左党の私たちにはあまり飲む機会がないな。それでも、レトロな看板の文字や昔ながらの提供スタイルには思わずキュンとしてしまう。

西のはじからひたすら通りを歩いていくと、慈祐宮という廟にたどりつく。誰でも中に入ることができるし、見学するだけでもトリップ感があってとても楽しい。夜のライトアップ時には、きらびやかな装飾がさらに美しく映える。

もともと夜市というのは、これらの廟の近くで発展してきたものといわれている。家族みんなで廟に参拝して、行き帰りに食事や買い物を楽しんで帰る。それが台湾の人たちにとっての日常で、そういう文化が根付いているのは素敵だな、と思う。

夜市に戻って、屋台のゲームにチャレンジしたり、ちょっとした小吃(スナック)を買って食べたりしながら入り口のゲートを目指す。

台湾らしいフルーツをカットして食べさせてくれる屋台もいくつか発見。ホテルに帰ってつまむのも、旅先ならではの楽しみのひとつですな。

朝からひたすら街中を歩きまわり、さすがに疲れた私たち。ホテルに戻って、おとなしく就寝。翌日はホテルの朝食をゆっくり味わって、空港に向かったのでした。

-おわり-

年末年始を台湾で過ごしたのはこのときがはじめて。日本にいるのとは少し違った気分で、一年の振り返りをして、新年を迎えることができてよかったなと思う。

そしてこれを振り返りながら記事を書いている2020年12月、私は台湾に暮らしている。旅行していた当時は台湾に来ることを想像もしていなかったし、でもだからこそ、この旅を記録して、当時の気持ちをいつでも思い出せるようになったのが嬉しい。

さて、次はどの旅を振り返ろうか。国外になかなか出られない今、いつかまた来る出発の日を楽しみにして。

関連記事一覧