【旅エッセイ】台中美術館と忠信市場で過ごす
アートな時間

旅とエッセイ

〈旅日記1〉 台湾(台北・台中)

5日目 午後

台中の第二市場で朝ごはん(というかブランチ)を済ませた私たちは、次の目的地へと向かう。

最初に訪れたのが、国立台湾美術館。美術館の建築に興味があったのもそうだし、ちょうどこのときに美術展「台湾ビエンナーレ」が開催されているのを知り、旅のスケジュールに入れておいたのだ。

街中にあるこの美術館だけれど、周囲を緑に囲まれているのと、広大な敷地のさまざまな場所にアート作品が配置されているのが特徴的。

入り口でチケットを購入し、ゆっくりと鑑賞を楽しむ。現代美術が好きな私にはたまらないインスタレーション形式の作品、コンセプチュアルアートの数々に出合えて、大いに刺激を受けた。

敷地内には「DigiArts 數位藝術方舟」というデジタルアートセンターもあり、日本でいう初台のICCみたいな感じでとてもおもしろい場所だった。

人も多すぎず、自分たちのペースであれこれ周ることができて心地よい。近くにあったら日常的に通うのに…。

館外では、親子連れの姿も多く見かけた。美術館としてはもちろん、散歩をしたり緑の中でリラックスしたり、憩いのスペースとして愛されている場所なのだろうな。

歩いていると、前日にも訪れた「春水堂」を発見。こちらはテラス席があって、気持ちよさそう!この日は夕方までごはんを食べずに我慢することにしていたから、たまにはおやつ休憩もいいよね、とここで休んでいくことにした。

前日も飲んだタピオカミルクティーを、今度はアイスで。甘さ控えめでおいしい。この後の予定をふたりで話したり、お互いの写真を撮りあったりしてしばらくのんびり。

ミルクティーを飲み終わり、次に向かったのは美術館そばの忠信市場。ここは昔市場だった場所で、今はリノベーションが行われてアートスポットのような空間になっている。

中に入って歩いてみると、通りのあちらこちらにおしゃれなカフェや小規模なショップが。

廃墟のような薄暗い空間の中に、突如現れる素敵なお店たち。店主さんのこだわりが感じられると、つい入ってみたくなる。

こういう場所には、やっぱり猫が似合うなあ。この後もいくつかのショップに立ち寄らせてもらい、異空間をさまような不思議な気持ちで過ごす。

そのまま市場を抜けて、美術園道と呼ばれる遊歩道コースをぷらぷらと歩く。突き当たりには川があり、このあたりにはカフェやバー、雑貨店なども点在しているようだ。

いつの間にか日が暮れ始め、空が暗くなってきた。そろそろお酒を飲む時間だね、とワクワクしながらお目当ての場所を目指す。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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