漁港でみつけたおいしい海鮮
台湾流の味わい方【基隆】

台湾あれこれ

「ミニュイの台湾シリーズ」について

ライター兼料理家である筆者が、台湾の食や文化を現地で学ぶ「ミニュイの台湾シリーズ」。旅ごはんとお酒にまつわるプロジェクト「Minuit(ミニュイ)」の活動として、主に本サイトにて発信を続けています。

自身の目で見て体験する現地での生活、食文化、お出かけ先や旅行先でのあれこれを、写真とともにご紹介していきます。詳しくは第一回記事(台湾の食と文化を伝える、ミニュイの台湾シリーズ)をご一読ください。

基隆の漁港でとれたての魚介を購入しました

はじめて基隆(ジーロン)へお出かけして、漁港のローカルレストランでランチを楽しんだ私たち夫婦とチャオさん(前回の記事はこちらからどうぞ)。

夜も一緒に食事しよう!と誘っていただき、和平島観光魚市のストリート沿いにある鮮魚店にて買い出しをしていくことに。

一見すると、日本の海鮮と同じようなラインナップですが…細かく見ていくと違いがあって、とてもおもしろいなと思いました。

購入したのは、しま模様の花蟹や台湾産イセエビ、トコブシなど。生簀の中から取り出した海鮮は、活きたままチャオさんのレストランまで運ばれます。

台湾のウニを試食させてもらいました。その場でさばいたばかりの、トゲ部分がまだ動いているウニ…ちょっと恐いけれど、味は文句なくおいしい!

台湾のウニは日本のものよりあっさりしていて、濃厚すぎないクリーミーな味わい。食感もふわふわとしていました。

レストランで味わう台湾のシーフード

海鮮を購入した後は、台北に戻って一度解散。そして夜7時頃に、チャオさんのお店のひとつ、四知堂TUAへと足を運びました。

四知堂TUAは、いつ訪れても美しい季節のお花が飾られていて、大好きな場所。選び抜かれたアートや調度品に囲まれながら、おいしいお料理とお酒をいただくのは、何にも代えがたい幸せなひとときです。

この夜は、台湾人のお友だちもひとり増えて、台湾華語と英語、日本語をまじえてのおしゃべりをみんなで楽しむことになりました。

昼間に買い出しをした海鮮はキッチンに。TUAのシェフがそれぞれの食材に合わせた調理法を用いて、仕上げてくれます。

こんなに大きいイセエビをいただくのは、台湾に来てからはじめて…! どんなお料理になるのか、楽しみでなりません。

食材の魅力を生かした台湾料理の数々

みんなで乾杯して、お酒についてのトークを楽しんでいるうちに、お料理が運ばれてきました。一皿目はトコブシを蒸したもの。お皿には、五味醤と呼ばれる台湾のピリ辛ソースが添えられています。

しっとり蒸し上がったトコブシは柔らかくて、トッピングの小葱とともに食べるだけでおいしい。五味醤はタイのチリソースのようで、少しつけるだけでエスニックな味わいに。

蒸した花蟹は、しょうが入りのお酢にくぐらせながらいただきます。柔らかい殻にぎゅっと詰まった身の部分は、とろけるようなふんわりとした食感。蟹味噌もマイルドな甘さで、全体的にやさしい印象でした。

茹でたイセエビは食べやすく切り分けられ、エビ味噌ベースのソースに小葱のアクセントが。プリプリとした身は、口の中で弾けます。

あまりにシーフードばかりもね、とチャオさんが用意してくれた野菜のおつまみ。中にはブロッコリーや豆類、台湾野菜の山蘇などが入っています。ここにも台湾産のカラスミがたっぷり! ですが、薄味なのでパクパク食べられます。

このほか、もうひとりのお友だちの好物である台湾ソーセージ入りチャーハンなども登場して、お腹いっぱいになりながらもおいしくいただきました。

…ごちそうさま、と思いきや、最後にサーブされたのがイセエビを使ったお味噌汁! 殻ごと使った、旨みたっぷりの一品です。

台湾の味噌を使っているので、日本のものよりも少し甘め。やさしい味わいのイセエビにぴったりで、身体があたたまりました。

台湾のシーフード料理に合わせたお酒

これらのお料理に合わせたのは、Bodegas Ximenez-Spinolaが手がける、ペドロ・ヒメネス種を使った貴重なシリアルナンバー付きワイン。

ペドロ・ヒメネス特有の華やかな香りを持ちながらも、極辛口でシーフードにも絶妙に合います。

括りは白ワインということでしたが、ほぼオレンジワイン。ほんのり苦い果皮のニュアンスもあわさって、複雑で深みのある味わいでした。

途中で飲んだ台湾の熟成ビール「バーレーワイン」は、その不思議なおいしさにびっくり。台湾・桃園にあるDB Breweryが手がけているのだそう。

目をつぶって飲んだらワインだと錯覚してしまいそうな、豊かな香りと飲み口。のど越し勝負ないわゆる台湾ビールの真逆をいくスタイルは、とても新鮮でした。

さいごに

お昼から夜まで、台湾のおいしい海鮮を堪能し(て飲み続けた)一日。日本とは異なる調理法やソース使い、食材の組み合わせにハッとさせられることも多く、随所でメモを取りながら学ばせてもらいました。

新しい発見や驚き、感動。台湾にいながら、好きな人たちとこれらを共有できるのが何より幸せだなあ、と思う夜でした。

基隆に関する記事は、この後も追加していく予定です。どうぞお楽しみに!

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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