端午節に味わう名物
台湾ちまき「粽子」のてづくり体験
「ミニュイの台湾シリーズ」について
台湾の食や文化を現地で学び、文字と写真で発信していく「ミニュイの台湾シリーズ」。詳しくは第一回記事(台湾の食と文化を伝える、ミニュイの台湾シリーズ)をご一読ください。
先回の記事も含めて、新竹・新埔鎮にある客家伝統市場についての記事をお届けしている最中ですが、ここで旬の話題をひとつご紹介したいと思います。
端午節の風物詩「粽子」
台湾では旧暦の端午節(例年6月)が祝日とされ、春節、中秋節とならぶ三大節句のひとつとして重要視されています。今年は4連休で、我が家も明日からのお休みに向けて、いろいろ計画を立てています。
台湾では、端午節には「粽子」と呼ばれる、台湾式ちまきを食べる習慣があるのだそう。また、親しい人やお世話になっている人にちまきを贈る風習もあるそうで、この時期になると街中には多くのちまきが出回ります。
台湾のちまきは地域によって作り方や具材が異なり、味わいも多種多様。例えば、北部では先にお米を調理してから具材ごと包んで蒸すのに対して、南部では生米と具材を包んで鍋で煮るのが主流です。ほかにも、細かい地域ごとにさまざまな特徴があります。
台湾料理店、四知堂でちまきを試食
チャオさんの経営する台湾料理レストラン四知堂でも、期間限定でちまきを予約販売していると聞き、先日作り方を教えてもらってきました。
もち米を炊いて魯肉やしいたけを混ぜたものをベースに、こだわりの具材を少しずつのせてバンブーリーフで包むのが四知堂流。
具材は魯肉(豚肉を煮込んだもの)、栗、あひるの卵、からすみ、貝柱、しいたけ、干し大根。蒸したてのちまきはもっちりとした口あたりで、一つひとつの素材が生きる贅沢なおいしさです。
とてもおいしかったので、すぐに予約して取りに行き、夫とふたりで何日かに分けていただいたのでした。
台湾ちまきのてづくり体験に参加
別の日に行われたちまき作りのレッスンに、カメラマン役でお邪魔させてもらったときのこと。
レストランの広いスペースで、お酒を片手に楽しむ料理レッスン…最高。私自身、旅先でよく料理教室に参加するのですが、知らない料理を見て実際に作って学ぶのは、ほんとうに楽しいですよね。
今回は、具材の下ごしらえも含めて、シェフとチャオさんがじっくり手順やコツを教えてくださいました。
からすみは、お酒にしばらく浸してから皮をむき、表面を軽く炙って。これだけでおいしいのに、ちまきに入れるなんて贅沢!
また干し貝柱は、お水とお酒半々に入れたものに浸して戻すと風味が良くなるそう。
魯肉の作り方も間近で教わることができて、とても勉強になりました。生姜や唐辛子、ねぎ、そのほか漢方食材を少し加えることで、深い味わいになるのだなあ。
豚肉や干ししいたけを甘辛く煮込んだベースを蒸したもち米に混ぜて、油飯(おこわ)も完成。
これをバンブーリーフで包んでいくということで、シェフの実演を見た後に自分たちで包む作業を行います。
ちまきを包むバンブーリーフは、この時期になると市場や乾物屋さんなどでもよく見かけます。
パリパリの葉で油飯と具材をうまく包むのは意外と難しい!けれど、この日持ち帰って家で蒸したちまきは、また格別のおいしさでした。
軽食やおやつと頂くのももちろんいいのですが、お酒片手にちょっとずつつまむのもオツなもの。特に、上等な紹興酒やシェリーとの相性がぴったりです。
さいごに
オーナー、チャオさんとシェフが実演しながら教えてくれるちまきレッスンは好評のようで、この日以降も何回か開催されたそうです。
おいしいちまきを作る秘訣…、それは、上質な食材を惜しみなく使い、丁寧に下ごしらえをすること。レッスンの途中で何度も味見をさせてもらえたので、再現するときにもしっかりそれを思い出しながら進めていきたいなと思います。