【台湾でたのしむ二十四節気】
雨水におすすめの過ごし方と食養生【台北・南門市場】

お皿にのせられた新鮮なたけのこと長芋
台湾あれこれ

「台湾でたのしむ二十四節気」について

「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく記事2本立てのシリーズです。

毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。

そしてふたつめの記事では、台湾でみつけた旬の食材を使ったお料理や、季節の食卓の楽しみ方をご紹介していきます。

第1回目、立春のふたつの記事は下記にあります。よろしければこちらもご覧ください。

二十四節気 雨水のイメージ

【台湾でたのしむ二十四節気02】雨水(新暦 2月19日頃)

旧暦において一年の季節を24に分けたものが二十四節気、それをさらに細かく分けたものが七十二候です。

二十四節気、立春の次は雨水です。雨水は、地上に陽気があがってきて雪がとけ、雨や水となることからその名がつけられています。冬の間は眠っていた草木が芽吹いてくる時期でもあり、冬から春への移りかわりをやっと感じられるという人も多いはず。

雨水の期間の七十二候は、以下のとおりです。土がうるおうことで霞がたなびき、草木の芽生えへとつながっていく、そんなイメージが目に浮かびます。

初候 土脉潤起 つちのしょううるおいおこる
次候 霞始靆 かすみはじめてたなびく
末候 草木萌動 そうもくめばえいずる

草木の芽生えイメージ

雨水におすすめの過ごし方

寒さがゆるんできて、冬の間にこわばってしまった身体を少しずつ動かしていくのにぴったりの時期です。短い時間でもよいので、ウォーキングや体操といった軽めの運動を毎日の習慣にできるとよいですね。

立春と同様に、目の疲れや不調が出やすいときでもあります。目を使う活動をするときはこまめに休憩をはさむ、蒸しタオルでじんわりと温める、ツボ押しやマッサージをするなど、目元のケアを意識して行いましょう。

身体が活動的になるにつれて、肩こり、足のつり、アレルギーなどの隠れていた症状が出やすくなるほか、自律神経も乱れがちに。朝起きたときや睡眠前に軽いストレッチを取り入れる、深呼吸をする、お風呂にゆっくりつかる…方法はなんでもOK! 心身をいたわることで夜にぐっすり眠れるようになり、日中もアクティブに動けるようになるはず。

雨水に食べるとよいもの

雨水の時期を健康に過ごすために大切とされていることのひとつに、「補肝(肝臓をおぎない、いたわる)」という考え方があります。立春の記事でもご紹介した香味野菜(ニラ、セロリ、ねぎ類)やいちごのほか、レモン、鶏や豚のレバー、貝類などは肝臓をはたらきを助けてくれる食材です。

また、春の味覚として欠かせないたけのこは、身体の熱をとってむくみを解消してくれるうえ、体内の老廃物を外に出してくれるはたらきも。ゆでてから上記の食材と合わせていただくのはもちろん、木の芽和えやたきこみごはんにして季節の恵みを存分に堪能するのもよいですね。

お皿にのせられた新鮮なたけのこと長芋

雨水の時期にいたわりたい部位として、肝臓のほかに脾臓(消化吸収や水分代謝のために大切な部位)もよくあげられます。例えば山芋(ヤマノイモ)は、脾、肺、腎3つの臓器の機能を高めてくれて、身体をうるおし、滋養強壮などの作用もあるので積極的に取り入れることをおすすめします。

食材の買い出しをしたのは台北市内の南門市場。よく行く八百屋の店主さんが、旬の食材やおいしい食べ方を教えてくださるのでいつも参考にさせてもらっています。今回はたけのこ、長芋のほかにもクレソン、菜心(台湾の野菜)なども購入しました。

野菜や果物以外では、ハチミツもこの時期にとるとよいもののひとつです。肺をうるおしてくれるほか整腸作用もあり、美容にもよいとされる万能の甘味です。疲れぎみの方や免疫力を高めたい方にもぴったり。

龍眼(リュウガン)の花からとれたはちみつの瓶

台湾でよく食べられているフルーツ、龍眼(リュウガン)の花からとれたハチミツは、台北市内にいくつかの店舗がある食と雑貨のセレクトショップ「神農市場」で購入した「蜂巢氏」というブランドのもの。

台湾では龍眼ハチミツも一般的なもので、琥珀色をしていて香りは華やか、濃厚なコクがあるタイプ。ホットドリンクに入れたり、料理の甘みづけに用いたりと、日常的にハチミツを活用している我が家。おいしいハチミツをまたひとつ見つけられて、とってもうれしい!

【今回のお買い物スポット】台北・南門市場

初回の記事で取り上げた東門市場に加えて、私たち夫婦が週末の午後になるとたまに訪れているのが南門市場です。

もともとは別の場所にあった南門市場、現在その場所はビル建て直しの真っ最中。中継市場として営業している現・南門市場ですが、区画が整備されていて清潔感もあるので、気軽にお買いものを楽しむことができます。

お肉、野菜、海鮮それぞれ専門店がいくつかあり、品ぞろえはお店によって少しずつ異なります。私たちはいつも「今日は何をつくろうか?」と相談しながら生鮮食品エリアをひととおりまわってみて、旬のものやおすすめされたものを順番に買いつつ、その日の献立を決めるのが定番コースです。

そのほか火鍋の食材、点心類、餃子や生麺、中華料理のお惣菜店などがずらりと並んでいて、高級食材を含む乾物類もバリエーション豊富にそろいます。

観光客の集まる中正紀念堂から近いこともあって、ナッツやドライフルーツなどのおみやげも手に入ります。台湾食材はもちろんほかの中華圏で定番とされているような伝統食材も多く、日本では見かけない珍しいものもたくさん! 興味のある方はぜひ一度足を運んでみてくださいね。

南門市場については、下記の記事(クリックするとブログ「台湾ほろよいふたりの美食手帖」に移動します)もどうぞ。

雨水の時期に食べたいお料理のレシピは、下記からご覧いただけます。

春に食べたい薬膳レシピは、こちらをどうぞ。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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