【薬膳おつまみレシピ14】
ハタハタの煮付け【冬の料理】
季節の食材でつくる薬膳おつまみ
薬膳マイスターのほか、ワインエキスパートおよび唎酒師の資格を持つ筆者が、季節の食材でつくる薬膳おつまみレシピ、そしてそれに合うお酒をご紹介します。詳しくは第一回目の記事をご覧くださいませ。
薬膳おつまみレシピ14
ハタハタの煮付け
台湾に引っ越してきて、こちらではどうしても見つけられない食材がいくつかあるのですが…その筆頭に思い浮かぶのは、ハタハタ!
ハタハタは、日本では秋田をはじめ東北地方、また鳥取地方でよく食べられていて、卵はブリコと呼ばれ珍重されています。筆者の出身地は新潟ですが、冬ならではの貴重な食材として、小さい頃から焼き物や鍋などで味わっていました。
日本でも地域によって旬の時期が異なり、いつでも出まわっているわけではありません。市場やスーパーで見かけたら、ぜひ購入を。
今回は、お酒のアテにぴったりなおつまみレシピをご紹介します。身が崩れないように煮るのが少し大変ですが、調理自体はとっても簡単です!
ハタハタの煮付けの作り方
〔材料(作りやすい分量)〕
ハタハタ 5〜6匹
しょうが(薄切り) 1かけ
うすくち醤油 大さじ3
みりん 大さじ3
水 2カップ
小ネギ(小口切り) 適量
〔作り方〕
1.「つぼ抜き」をする。ハタハタの口から割り箸を差し込み、奥の方まで入ったら、割り箸を挟んで回しながらエラと内臓を引き抜く。お腹の中もよく洗って、キッチンペーパーで水気を取る。
2.鍋に水、うすくち醤油、みりんを加えて、ハタハタをそっと入れる。
3.煮崩れ防止に落としぶたをして、沸騰するまで弱めの中火で温める。
4.沸騰したらしょうがを加え、出てきたアクを取る。すぐに弱火にする。
5.10分煮たら、火を止めて冷まし、味をしみこませる。食べる直前にもう一度温める。
6.器に煮汁ごと盛りつけ、小ネギをトッピングする。
※「つぼ抜き」が難しい方は、包丁やキッチンバサミで内臓を取り出してもOKです。その際、卵や白子が流れ出ないように気をつけましょう。
薬膳メモ
ハタハタはスズキ目に属する深海魚。薬膳の考え方では、身体にたまった水分を排出する利水効果があるとされています。抗酸化作用が高いので、老化や生活習慣病などが気になる方にぴったりの食材です。
そのほか、悪玉コレステロールを下げる作用のあるオレイン酸が含まれていて、血液をサラサラにするオメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)も豊富です。
料理をおいしくする+1のアイデア
余ったハタハタは、大きい骨を取り除き、炊きたてのごはんに汁ごとかけていただくのがおすすめ。甘辛い汁と柔らかな身が絶妙なコンビネーションで、たまらないおいしさです。ネギや刻みしょうがなど、薬味をお好みでトッピングしてくださいね。
合わせたいのはこんなお酒
繊細なハタハタの身やプチプチとした食感がクセになる卵をしっかり味わいたいので、日本酒も料理の邪魔をしない軽やか&さっぱりタイプを合わせるのがおすすめ。
また個人的には、クリアで飲みやすい米焼酎を組み合わせるのもありかなと思います。例えば、日本酒の酒蔵がつくった「七田」はほのかな吟醸香が香り、上品でマイルドな味わい。焼酎が得意でない筆者でも水割りやロックでおいしくいただける一本です。
例えばこちら↓
東光 出羽の里 純米吟醸原酒〔山形・小嶋総本店〕
山形県米沢市で1597年に創業し、米沢藩上杉家御用酒屋という由緒正しい肩書きを持つ小嶋総本店。酒蔵の顔となる「東光」シリーズから、酒造好適米「出羽の里」100%で醸した純米吟醸原酒をピックアップしてみました。
「きれいな水で作った」という言葉が似合う、サラサラとした味わい。原酒だけれどフルーティーで飲みやすく、食事と合わせてもしっくりくるのが魅力的です。
前菜や野菜を使った副菜などのさっぱり系おつまみ、ひかえめな味つけの煮魚によく合います。
今回ご紹介した煮付けのほか、焼き魚や唐揚げにしてもおいしいので、いろいろと試してみてくださいね。
次回もどうぞお楽しみに!
注記: 本記事は、日本酒情報サイト『osakelist』にて連載していたレシピ記事に加筆・訂正を加えたものです。