【旅エッセイ】モンマルトルで朝食&散歩、マレ地区でファラフェルサンド【フランス・パリ】
フランス・パリ旅のエッセイ。前回の記事はこちらからどうぞ。
〈旅エッセイ〉7 フランス(パリ)
5日目 朝〜夕方
前日のお酒をひかえめにしたおかげか時差に慣れてきたからか、ちゃんと起きられた朝。帰国日が近づいてきて少しさみしいけれど、今日もみっちりと詰まった予定を精いっぱい楽しもう! とホテルを早めに出発する。
午前中の目的地はモンマルトル。歓楽街としても有名なこの場所、ほんとうは暗くなってからおしゃれをして繰り出したいところ…。でも今回のお目当ては朝食と寺院巡り。キャバレー『ムーラン・ルージュ』の前を通りがかりながら「いつかまた来ようね」と夫と言い合った。
寒いけれどお天気はよく、空気も澄んでいて最高。坂道が多いモンマルトルの街は、歩くだけでもかなりの運動になる。まずは映画『アメリ』の舞台になったカフェCafé des Deux Moulins(カフェ デ ドゥ ムーラン)に立ち寄り、朝食からはじめることにした。
店内は広く、内装もパリのカフェらしくて素敵だ。ふだんはあまり朝ごはんを食べない私たちだけれど、旅先だしね、とモーニングセットをオーダーしてふたりで半分こ。それに名物のクレームブリュレも追加して、エスプレッソとともに楽しんだ。
私たちと同じ観光客の姿もちらほら見かけたものの、ほとんどは地元のお客さんのようだった。特にカウンターのあたりは、コートやジャケットを羽織ったまま朝食をさっと済ませようとする人たちでいっぱい。フランス・パリのカフェ文化はこれからもずっと続いていくのだろうなあと思うと、なんだかうれしくなる。
カフェを出てふたたび歩きながら、モンマルトルの丘の上にあるサクレ・クール寺院のふもとへ。サン・ピエール広場から寺院まではケーブルカーでつながれていて、2分ほどであっという間に入口にアクセスすることができた。
寺院のまわりは芝生と階段で囲まれていて、ここから街を見下ろすだけでも圧巻の光景だ。中に入ってみると、ほとんど人がおらずとても静か。ドームの丸い天井に描かれた世界最大級のモザイク画はとても立派で、聖堂の彫刻やステンドグラスの美しさに心を奪われた。
300段あるらせん階段をのぼっていくとドーム展望台があると聞き、内心(これで十分なんだけどな)と思いつつもそこを目指してみることにした。薄暗くて狭い石段を、ひたすら上へ。日頃の運動不足を反省しながら、息もたえだえに展望台にたどりつく。
苦労した甲斐があって、360度見渡せる街の景色はすばらしいものだった。エッフェル塔を探したり、地図を確認しながら建物や観光スポットをチェックしたり。人が少なくてふたりでゆっくり写真撮影を楽しめたのもよかった!
階段を降りて寺院を後にし、西側にあるテルトル広場を散策する。似顔絵を書いている人に自分の作品を販売している人、大道芸人などの姿も多くてさすが観光地という感じ。ゆっくり探せば、お気に入りのアートをみつけられるかもしれないなあ。
モンマルトルから地下鉄に乗りマレ地区へと移動する。パリのユダヤ人街ともいわれるマレ地区で人気のあるフードといえば、ファラフェルだ。ファラフェル(ひよこ豆をつぶしたコロッケ)は中近東の名物だけれど、ピタパンにファラフェルや野菜、お肉をぎっしり詰めてサワークリームなどのソースをかけたボリューム満点のサンドが評判なのだとか。
なかでもRosiers通りにはたくさんのファラフェルサンド屋さんがある。私たちはキング ファラフェル パレスというお店で、イスラエル産ビール&ワインとともに絶品ファラフェルサンドを味わった。
満腹になった私たちはそのままマレ地区を歩いて、merciというセレクトショップへ向かう。ユーズドブックカフェで休憩してから素敵なショップ内をぐるりと見てみたものの、どのアイテムも一目惚れ!と購入するまでには至らず。
その後、空の小さいスーツケースを取りにホテルに戻り、歴史あるデパートのギャラリー・ラファイエットに行ってお買い物。おみやげにする食材やワイン、ホテルで夕食を楽しむためのデリなどをまとめて調達したのだった。
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