【旅エッセイ】台北・行天宮と
ガチョウ料理ランチ

旅とエッセイ

〈旅日記1〉 台湾(台北・台中)

3日目 午前

夜市を楽しんだ翌日も、少しだけ早起きしてみた。出発がてら、ホテル近くの水煎包専門店で、朝ごはんを軽く済ませることに。

台北市内にいくつかの店舗をかまえる、老蔡水煎包。私たちが訪れたのは開封街にある支店だが、近くの漢口街店にはイートインスペースもあるらしい。

試しに、いちばんスタンダードな「鮮肉包(肉まん)」と豆漿(豆乳)をオーダー。その場でほおばる。

コロンとした小さな饅頭を割ってみると、中には餡がぎゅっと詰まっている。できたてなので、アツアツでおいしい!

スタッフのお姉さんたちがせわしなく、生地をつまんで具材を包んだり、豆乳をカップに注いだり。日本にも、コンビニのかわりに、こういう屋台のようなスタンドがあればいいのになあ。

さっと食事を終わらせて、行天宮に向かう。MRTに乗り、「行天宮」駅で下車。しばらく歩くと、立派な門が見えてくる。

ここには、商売の神様「關聖帝君(三国志で知られる「関羽」のこと)」が祀られていて、台湾でも一、二を争うほど人気のお寺なのだとか。

境内には、予想していた以上の、人、人、人…。あまりの多さにびっくり。私たちふたりは、邪魔にならないように、ひっそりとお参りをして帰ろう。

このときはちょうど神事が行われていたようで、おみくじやその他のサービスも休止中。普段は、「収驚」という儀式を体験できるほか、日本語ガイドの方が参拝の仕方を教えてくれたり、おみくじの解説をしてくれたりするようだ。

台湾では、龍山寺や文昌宮、保安宮などさまざまな神様を祀る寺廟をまわってみたけれど、どの場所もたくさんの人で溢れかえっていた。

日常的に訪れる人も多いと聞いて、それだけ「拜拜(参拝のこと)」が身近で大切なものなのだと納得。ちなみに行天宮の地下道には占い横丁がある。日本語が話せる占い師さんも多いようなので、興味のある人はぜひどうぞ。

朝ごはんを軽くしたので、お昼どきにはしっかりお腹がすいてきたふたり。前日の夜行こうとして、名物が売り切れだったお店にリベンジすることにした。

訪れたのはここ、阿城鵝肉(アーチェンウーロウ)。

ガチョウのイラストが目印の、ガチョウ料理専門店だ。

行天宮からも歩いて15分くらいの場所にあり、大通り沿いなので見つけやすい。

日本ではほとんど見かけないガチョウ料理だけれど、台湾ではごくごくポピュラー。こちらのお店は、地元のお客さんにも人気ながら、とっても清潔なカジュアルレストランといった感じ。

席に案内された後、もらった用紙にペンで記入していくスタイル。空腹感にさいなまれて、うっかりたくさん注文してしまった…。

ドリンクは、冷蔵庫から好きなものを持ってきてOKのセルフサービス。

台湾ビールのクラシック、ラベルの色使いがなんだかシックでかわいい。

最初にテーブルに運ばれてきたのは「韭菜鵝腸」。

ガチョウのホルモン、ニラともやしをピリ辛に炒めた料理で、ビールが永遠にすすみそう。このほか、大好きな「麻辣血(血を固めたもの)」もあわせてパクパクとつまむ。

メインのお肉が、お皿にこんもりと盛られてやってきた!

見ただけで満腹になりそうなボリュームに、怖気付くふたり。

お肉は注文時に、「煙燻(スモーク)」か「白斬(塩ゆで)」かを選べる。私たちはシンプルにガチョウの旨みを味わいたかったので、白斬をチョイスした。

皮の部分はプルプルで、身がとても柔らかく感動するほど好みの味。鶏肉というよりは、鴨や鳩に近いような、ちょっぴり野性的なテイストだ。

そのままでももちろんおいしいけれど、生姜やバジルと一緒に食べるとさらに美味。店内の調味料コーナーにある、辣醤(辛いソース)にもばっちり合う。

ダメだと思いつつも頼んでしまった「鵝油拌飯」。

ガチョウの肉汁を混ぜたごはんで、お肉と一緒に食べると、もう止まらない!

お肉、ごはん、ビール、おつまみ、ごはん、ビール…といった具合に、エンドレスに楽しんでしまう。「下水湯(モツ入りスープ)」までしっかり味わい、ビールの大瓶は3本でストップ。

いくらふたりで色々食べたいからといって、分量は考えなければいけないな、と反省。といいつつ、夫が許してくれる限りは今後もやってしまうのだろうけれど。

ふう、お腹が苦しい…。腹ごなしに、MRTに乗って次の目的地へ向かうことにしたのだった。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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