【台湾料理】冬至に食べたい白玉スープ
客家鹹湯圓の作り方【レシピ】

冬至に食べる台湾の客家鹹湯圓(白玉だんごのスープ)
台湾あれこれ

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前回の記事では、台湾の冬の味覚であるボラの卵巣の、からすみとはひと味違ったおいしい食べ方についてご紹介しました。

またInstagramでは、ボラの白子を使ったメニューについても投稿しています。

2021年も残すところあと少しとなりました。12月22日(台湾は21日)は冬至でしたが、みなさんはどのように過ごされましたでしょうか?

日本と同様に台湾でも、冬至は大切な年中行事のひとつとされています。今年は私も台湾式に冬至を楽しもうと思い、伝統的なお料理をつくってみました! 次の章から詳しくご紹介していきます。

日本と台湾、冬至の過ごし方の違い

二十四節気の冬至は、毎年12月21日または22日ごろ。日本で冬至にすることといえば、かぼちゃを食べる、柚子湯につかる、「ん」のつくものを食べる、などがあります。

台湾では少し違っていて、「湯圓(タンユエン)」と呼ばれる白玉だんごを食べるのが一般的です。

冬至に湯圓を食べる由来としては諸説あり、その丸い形から、家族団らんや円満に物事が運ぶようになどさまざまな願いが込められているともいわれます。

湯圓のほかには、鶏肉や羊肉などの肉類と漢方食材を一緒に煮込んだスープ、鍋料理もよく食べられます。これは、冬の間に養生して身体をととのえ、一年を健康に過ごせるようにするという中医学の考え方に基づいています。

台湾の冬至に欠かせない湯圓

台湾では冬至のみならず、一年を通じて湯圓を食べる文化があります。もち米でつくられた丸い白玉は、大きさもいろいろ。甘いシロップやあずきと一緒にスイーツとしていただいたり、鍋料理やスープの具材にしたりします。

今回私が買ってきたのは、スーパーマーケットで販売されている冷凍タイプの「小湯圓」。解凍してそのまま使うこともできますが、凍ったものを下ゆでしてからスープに加えました。

台湾でも紅白は縁起物とされていて、新年や冬至をはじめとしたお祝いごとに紅白のものが用いられることがあります。白とピンクのころころとした小さな白玉、とっても可愛いですよね。

そのほか、餡を包んだお団子タイプの湯圓もポピュラーです。中身はごま、ピーナッツ、お肉など。中身の入っていない湯圓に比べると食べごたえがあって、軽食やおやつにもぴったりです。

延三夜市の名店・施家鮮肉湯圓のもちもち湯圓

写真は台北・延三夜市にある「施家鮮肉湯圓」でいただいた看板メニューの鮮肉湯圓(こちらは通年食べることができます)。柔らかいお餅の中にはひき肉が入っていて、ほんのりスパイシー。また食べたいなと思う一品です。

延三夜市に関する記事は、下記もどうぞ。

台湾の客家鹹湯圓(白玉だんごのスープ)

さて、私が今回つくったのは、客家鹹湯圓(白玉だんごのスープ)です。以前、台湾人の友人であり食の先生ともいえるチャオさんが私たち夫婦に食べさせてくれたスープを思い出しつつ、アレンジしてみました。

客家鹹湯圓とは、代表的な客家料理のひとつ。乾物のだしが効いたスープで豚肉や野菜、湯圓を煮込んだものです。つくり方はごくシンプルですし、食材も手に入りやすいものばかり。

寒い時期には特に身体があたたまるので、たっぷりつくって味わうのがおすすめです。

冬至に食べる台湾の客家鹹湯圓(白玉だんごのスープ)

客家料理について詳しく知りたい方は、下の記事もご覧ください。

客家鹹湯圓の作り方

【材料(つくりやすい分量)】

チキンスープ、豚肉、大根、白菜、湯圓、干しエビ、干ししいたけ、揚げエシャロット(市販のものでOK)、米油(サラダ油でもOK)、ラード(あれば)、セロリ、香菜、青ネギ、白胡椒

【作り方】

1. 干しエビと干ししいたけは前日のうちに水に浸けて戻しておく。豚肉は細切り、大根は短冊切り、白菜は適当にざくざく切っておく。
2. 鍋に油を熱して、豚肉、干しエビ、細切りにした干ししいたけ、揚げエシャロットを炒める。チキンスープを注いで、大根と白菜を加えてしばらく煮る。
3. 別の鍋でゆでておいた湯圓を鍋に入れて、みじん切りのセロリと香菜、小口切りのねぎ、ラードを加える。塩、白胡椒で味をととのえる。

冬至に食べる台湾の客家鹹湯圓(白玉だんごのスープ)

ラードが保温の役割をしてくれるので、時間がたってもアツアツのまま。野菜は大根や白菜のほか、葉ものならなんでも入れてOKです!

客家鹹湯圓に合わせたお酒

お肉に乾物、野菜などたくさんの具材が入っているものの、比較的どんなお酒とも合わせやすい客家鹹湯圓。個人的におすすめしたいのが、スペインの酒精強化ワイン・シェリーとの組み合わせ!

スペイン・アンダルシア州で生産されているシェリーは、タイプによって味わいが大きく異なります。

料理と一緒にいただくことができるマンサニージャ、フィノ、オロロソといったものから、食後酒にぴったりのクリーム、ペドロヒメネスのような種類までバリエーションが充実しているのが特徴です。

OSBORNE シェリー フィノのボトル

今回私たちが客家鹹湯圓に合わせたのは、フィノと呼ばれる辛口タイプのシェリー。色はごく薄い黄金色で、ほんのり塩気とアーモンドやナッツ類のような香ばしさが感じられます。

もともと台湾料理にシェリーはよく合うと思っていて、前菜や魚介料理にはフィノやマンサニージャ、濃いめの味の料理にはオロロソなどそれぞれぴったりのものをセレクトしているのですが…。豚肉(お肉)と干しエビ(魚介)を使った鹹湯圓には、適度にさっぱりした味わいのシェリーが好相性だね、という結果に。

また我が家では、シェリーだけでなくワインも合わせて楽しんでみました。

フランス・サヴォア地方の白、Domaine du Cellier des Cray が手がける Cuvee Euphrasie Chignin Bergeron。りんご、洋梨のような甘い香りにミネラル感がたまらないおいしさ!

フランス・サヴォア地方の白ワインボトルとグラス

スイスに隣接するサヴォア地方はフランスのなかでも寒冷な地域。酸はおだやかだけれどきりっとした上品な味わいのワインが多く、あたたかいスープ料理や魚介のだしを使った料理との相性もよいので、見つけては買って料理とのペアリングを試しています。

さいごに

冬至の日のおうちごはんメニューについては、下記のブログ(以前のgooブログからお引っ越しして、新しいブログを立ち上げました!)の方でご紹介しています。よろしければこちらも覗いてみてくださいね。

新ブログ「台湾ほろよいふたりの美食手帖」

「ミニュイの台湾シリーズ」について

ライターおよび料理家である筆者が、台湾の食や文化を現地で学ぶ「ミニュイの台湾シリーズ」。日本にいる頃にはじめた旅ごはんとお酒にまつわるソロプロジェクト「Minuit(ミニュイ)」の活動として、主に本サイトにて発信を続けています。

自身の目で見て体験する現地での生活、食文化、お出かけ先や旅行先でのあれこれを、写真とともにご紹介していきます。詳しくは第一回記事(台湾の食と文化を伝える、ミニュイの台湾シリーズ)をご一読ください。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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