【旅エッセイ】ルーブル美術館でアート鑑賞、ビオマルシェとワインランチ【フランス・パリ】
フランス・パリ旅のエッセイ。前回の記事はこちらからどうぞ。
〈旅エッセイ〉6 フランス(パリ)
4日目
前日はまたしても時差ボケに負けてしまい、ごはんも食べずに眠ってしまった私(夫はふつうに起きて、街を散策したりワインを飲んだりしていたそう)。
その分を取り戻そうと、この日は早起き。ホテル近くのブーランジェリーでクロワッサンなどをテイクアウトして、パリジェンヌよろしく歩きながらパクパク。何も考えずにふらりと立ち寄ったお店でも、必ずおいしいパンに出合えるというのはうれしい限り。
地下鉄に乗ってチュイルリー駅に到着、チュイルリー公園のなかを散策しつつルーブル美術館へ向かう。大きな門をくぐり抜けてすすむと、うつくしいピラミッドが見えてきた。
この日は、ルーブル美術館をはじめとする美術館・博物館が入場無料になる第一日曜日(毎月)。混んでいるのは覚悟のうえで訪れたけれど、入り口は予想以上の大行列! しかしながら私は事前に、ルーブル美術館にはいくつか入り口があり、場所によってはとても空いているという情報を得ていて、それに従って移動。
中央の広場からそのまま川沿いの道路に出て歩き、ライオンの像のあたりにある階段を降りていくとポルトデリオン側入口を発見。そこには誰もお客さんがおらず、拍子抜けするほど簡単に入館できた! 中央のピラミッド側入口では数百人を越す長蛇の列、この差はかなり大きいはず。
待ち時間を大幅に短縮できた私たちは、まだまだ人の少ない館内をすいすいと歩いて移動。日本語マップを参照しながら、まずは混まないうちに王道作品を駆け足で鑑賞していくことにしたのだった。
そういえば美術館の中で夫にカメラを預けていたら、知らないうちに私の写真をたくさん撮ってくれていた。
旅先でカメラを持っているときは、たいてい目の前のものごとをそのときの気持ちとともに記録しようと思うので精一杯で、自身が被写体になることはまず考えない。ふだんどんな表情で作品を見たり、その体験に向き合ったり、考えごとをしたりしているのか。写真を通して知らない自分の姿にふれることができて、なんだかうれしかった。
多くの人が想像するよりも実際のサイズはとても小さい、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」。ほかにも、フェルメール、ドラクロワ、レンブラントといった芸術家たちの代表的な作品いくつか、彫刻ではミロのヴィーナス、サモトラケのニケなど。
有名作品だけを鑑賞したとしても、半日どころか一週間あっても到底足りなそうな膨大な情報量に圧倒されてしまった。
今まで国内外でいろいろな美術館をめぐり、実際に見たことがある作品も数多くあったけれど、それらを今ルーブル美術館で見ている、という体験はなかなかに感慨深いものだ。
私たちが生まれるずっと前からあった、芸術家たちのつくり上げた作品の数々。飛行機に乗るだけで、こんなにうつくしいものを間近で見ることができる、そんな時代や環境に生きていて、幸せだなあと改めて思う。
館内をまわっている途中にピラミッドのある広場をちらっと見ると、朝よりもさらに長い列ができていた。がんばって朝早く起きて、ほんとうによかったな。
スケジュールの都合もあってかなりショートカットしながらの鑑賞だったけれど、「また何度でも訪れたらいいよね」とふたりで言いながら、美術館を後にする。
美術館以上に行きたかった場所。それは、ルーブル美術館を南下したラスパイユ通りで日曜限定で開かれているビオマルシェ。野菜や果物などの生鮮食品はもちろん、食料品や雑貨もそろっている。
ビオを謳っていることもありほかのマルシェに比べてやや高級な印象。こだわりの強い小さなショップがぎゅっとコンパクトにあつまっていて、個人的にはとても楽しめた。
オーガニックのシードルやジュースを試飲したり、エッセンシャルオイルを購入したり。またパリに来てからずっと探していた帽子もここで買うことができてよかった!
お買い物を楽しんでから、近くのにぎわっていそうなカフェ(ブラッスリー?)、Le Nemrodでランチ。
たっぷり3〜4人前はありそうなフォアグラテリーヌに、オーベルニュ地方の名物だという仔羊もも肉の煮込みをふたりでシェアしながらワインを飲んでのんびり。
夕方にタイ古式マッサージのお店に駆け込みリフレッシュして、ホテルでしばし休憩。
夜はちゃんとカメラを持たずに出かけてしまったけれど、パリでもっとも美しいパッサージュといわれるギャルリーヴィヴィエンヌを訪れたり、バスチーユ広場からもほど近いAUBERGE FLORA(オーベルジュ フローラ)で南仏料理ディナーを味わったりして夜までしっかり満喫。
次の記事へつづく!
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