【薬膳おつまみレシピ07】
金針菜とイカの塩炒め【夏の料理】
季節の食材でつくる薬膳おつまみ
薬膳マイスターのほか、ワインエキスパートおよび唎酒師の資格を持つ筆者が、季節の食材でつくる薬膳おつまみレシピ、そしてそれに合うお酒をご紹介します。詳しくは第一回目の記事をご覧くださいませ。
薬膳おつまみレシピ07 金針菜とイカの塩炒め
「金針菜」という名前の野菜をご存知でしょうか? ユリ科のカンゾウ(ワスレグサ)のつぼみのことで、薬膳・漢方の世界では生薬としてもメジャーな食材です。火を通すとほんのり甘く、シャキシャキとした食感が楽しめるんですよ。
今回は、金針菜と相性のよいイカを使って、かんたんにできるおつまみレシピをご紹介したいと思います。
金針菜とイカの塩炒めの作り方
〔材料(2人分)〕
金針菜 100g
イカ 1パイ
料理酒(紹興酒でもOK) 適量
塩 ひとつまみ
ホワイトペッパー 少々
すりごま 大さじ1/2
炒りごま 小さじ1
唐辛子(乾燥・小口切り) 少々
ごま油 適量
〔作り方〕
1.金針菜は、塩(分量外)を入れた熱湯でさっとゆがき、ざるにあげて冷ます。イカは内臓と骨をとり、身の部分の皮をむいて食べやすくカットする。
2.フライパンにごま油と唐辛子を熱し、中火でイカをさっと炒める。料理酒をまわしかけてアルコールをとばしたら、金針菜を加える。
3.塩とホワイトペッパーを加えて、手早く炒めながら味をなじませる。
4.3をボウルにうつし、すりごまと炒りごまを加えて、軽く混ぜ合わせる。
薬膳メモ
薬膳では、金針菜は血の巡りをよくし、身体の余分な熱やむくみをとる食材として重宝されてきました。中華圏では乾燥タイプも流通していて、漢方食材としても一般的です。
イカは血を補い、肝臓のはたらきを助けてくれるものとされています。どちらも貧血やめまい、婦人系疾患などに効果があることから、特に女性におすすめしたいレシピです。
料理をおいしくする+1のアイデア
火を通しすぎると、金針菜はフニャフニャと柔らかく、イカはゴムのようにかたくなってしまいます。どちらも色が変わったな、と思ったら早めにボウルにうつしましょう。また、辛みを足したいときは、生の唐辛子を使うのもおいしいですよ。
合わせたいのはこんなお酒
日本酒なら、できたてのアツアツを冷やとともに、時間が経って味がなじんだ頃にぬる燗で…と、さまざまなシチュエーションと温度帯でマリアージュを楽しめそう。できればお、米の味わいがはっきりわかるような個性派タイプをチョイスして。
そのほか、個人的におすすめなのは、紹興酒やシェリー酒との組み合わせ。紹興酒なら甘すぎないスッキリタイプ、シェリーなら少し塩気のあるマンサリーニャなどが相性ぴったりです。
例えばこちら↓
AKIRA オーガニック純米〔石川・中村酒造〕
石川県金沢市に本社をかまえ、「米・水・人」にこだわった酒造りを続ける中村酒造。代表ブランドは「日榮」ですが、契約農家とともにつくったこだわりの有機純米酒「AKIRA」をピックアップしてみました。
飲んだ瞬間に「自然派だなあ…」と思える、有機米らしい個性あふれる旨みが特徴です。酸味も適度にありますが、最初はアルコール度数が高めに感じるかもしれません。丸みのある濃厚な味わいがコクとなり、飲むほどに魅力的に変化していきます。
金針菜は日本ではまだ珍しい野菜だと思いますが、生のものも少しずつ流通するようになってきました。鉄分が豊富にふくまれているだけでなく、不眠やイライラ、ストレスを解消してくれる働きまであるそう。スーパーや市場で見かけたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
注記: 本記事は、日本酒情報サイト『osakelist』にて連載していたレシピ記事に加筆・訂正を加えたものです。