【旅エッセイ】台北のお寺と
スーパーマーケット巡り

旅とエッセイ

〈旅日記1〉 台湾(台北・台中)

2日目 午後〜夕方

朝ごはんはしごの後は、ひたすら街を散策することになった。冬だけれど晴れているからそんなに寒くない、というよりむしろ暖かい。

台湾特有のゆったりとした空気にリラックスしながら、通りを歩く。

目的地も遠くなかったのだけれど、まずは行きたかった場所へ寄り道。

重慶南路二段の建物の地下1階にある食料品店、GREEN&SAFE。

おいしいもの好きの私たちは、旅先でも、地元のスーパーマーケットによく足を運ぶ。ローカルスーパーはもちろん輸入スーパー、市場、小さな食料品店までどんなところも好き。

GREEN&SAFEはとりわけ、上海で生活していた頃、頻繁に利用していたお店だった。台湾発の食材スーパーで、有機野菜やフルーツの量り売りを行っているほか、台湾産および世界中のさまざまな国のオーガニック食材を販売している。

自社製品も多く、中華系のお惣菜から洋食メニューまでもが豊富にそろう。系列のレストランやカフェもあり、上海には系列のおしゃれな火鍋店もあってよく食べに行っていた。

懐かしい気持ちになりながら、店頭に並んだおいしそうなフルーツや食材を眺める。商品の値段は安くはないけれど、オーガニック食材のおいしさや楽しさを教えてくれる素敵なお店だと思う。

おみやげ探しはまだやめておいて、次の目的地へ…。

中正紀念堂駅に戻り、MRT淡水信義線で圓山駅へ向かう。駅から歩いて、またまた予定外に立ち寄ったのは、孔子廟。

儒教の開祖、そして学問の神様として有名な孔子が祀られているという霊廟である。日本統治時代に病院や学校に変わり、再建、修復されて今に至るといわれている。

インフォメーションセンターには日本語パンフレットがあり、音声ガイドも利用できるようだ。私たちは、予備知識なしに敷地内をゆっくり見てまわるくらいで、十分かなあと判断した(いつもそう)。

参拝者はそれほど多くなく、公園を散策するような、静かで心地よい時間を過ごすことができた。

少し歩いて、当初の目的地であった大龍峒保安宮に到着。

ここは健康や長寿を司る医学の神様を中心に、多くの副神も祀られている場所なのだとか。装飾がうつくしくて、眺めるだけで楽しかった。建築や美術が好きな人にはぜひ、おすすめしたい場所だ。

人が少ないうえに説明も見当たらず、何から始めたらよいのか分からない。寺務所のお姉さんに聞いてみたり、近くの地元らしき人々に助けられたりしながら、カラフルな紙の束とろうそく、線香、あとお菓子をもらった。ここまで訳がわからないまま参拝して、果たして神様は願いを聞いてくれるのでしょうか…。

結局、ろうそくと線香以外は大きな台のうえにお供えすればよかったらしい。ろうそくを指定の場所に挿したあとは、大香炉で線香に火をつけて、主神の保生大帝のほか、たくさんの副神に参拝。

お願いをするとき、自分の名前と住所、そして生年月日を唱えるという作法は、以前台湾に来て初めて知ったことだ。日本語でも大丈夫なのかしらん?と心配になるけれど、神様だから、きっと大丈夫なのよね。

さて、参拝のあとは近くの「MAJI 集食行楽」内にある、神農市場にやってきた。台湾版DEAN&DELUCAともいわれる食のセレクトショップで、私も何回か買い物に来たことがある。

パッケージデザインが素敵な食材やお茶、オーガニック系のものもたくさんあって、見ているだけでも楽しい。そして毎回、うっかり大量におみやげを買ってしまうことになるのだ。

店内はスーパーマーケットだけでなくデリコーナーやカフェなどもあり、カフェではコーヒーやスイーツをいただいたり、ビールを飲んだりもできる。

この「MAJI 集食行楽」、広場には大型フードコートがあり、運が良ければ青空マルシェなどのイベントに出会える。小さなショップが連なる区画もあるので、興味のある方は、ひと通りまわってみると良いと思う。

そろそろ疲れてきたものの、ホテルに荷物を置く前にもうひとつ、寄っておきたい場所があった。向かったのは、東区の忠孝東路にあるスーパーマーケット(またしても)、太平洋鮮活 SOFRESH。お店のすぐ隣には曜日限定の小さなマルシェがあり、そちらもあわせてのぞいてみたかったのだ。

こちらでは、自家栽培の野菜や農家直送のフルーツ、台湾の各地から集められたこだわりの食料品を購入できる。

GREEN&SAFEや神農市場とセレクトは少し似ているけれど、ここにしかないものも結構ありそう。

隣のマルシェは「248農学市集」という名前で、ウェブサイト(中国語)を覗いて営業日を確認してきたつもりだった。ただこの日は規模があまりに小さくて、あっという間に見終わってしまい…ちょっぴり残念だった。日によってお店が違うようだから、仕方がなかったのかな。いつか再チャレンジしたいところだ。

帰りがけに近くのジューススタンドでタピオカミルクティーを買って、MRTの最寄り駅まで飲みながら歩く。

ホテルに戻り、夜にそなえてしばし休憩。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

プロフィール

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