古い木造建築がおしゃれなアートセンターに再生! 小轉角 ArtDeCorner【台南アート散歩01】
【本記事には広告が含まれています】
台南のアート&カルチャースポットをめぐる
かつては古都として栄え、さまざまな国の影響を受けながらも独自の文化を形成してきた台南。今も数多くの歴史的名所が残っており、昔から変わらない街の風景や人々の暮らしをあちらこちらで目にすることができます。そんな台南には、美術館や博物館をはじめ、アート&カルチャーにふれられるスポットがいっぱい。本シリーズ「台南アート散歩」では、台南に住む筆者が実際に訪れたさまざまなアート&カルチャースポットをご紹介していきます。
路地にたたずむおしゃれなアートセンター 小轉角 ArtDeCorner
記念すべきシリーズ第1弾は、木造建築をリノベーションした素敵なアートセンター「小轉角 ArtDeCorner」をピックアップ。
台南の街を散策するときの楽しみのひとつは、くねくねと入り組んだ路地をのんびり歩いて、気になった場所に立ち寄ってみること。この小轉角 ArtDeCornerも、静かな路地を歩いていてみつけたアートスポットです。
1927年に建てられたという小轉角 ArtDeCorner。もともと製粉工場だったこの場所は麺店など形態を変えながら存続していましたが、別の所有者のものになってしばらくは使われていなかったのだとか。
インテリアデザイン会社を創業した夫婦がこの建物に惚れ込み、政府文化局に古い建築の保存再生計画を申請。大規模な改修を経て、2022年6月にアートセンターとしてオープンしたということです。
小轉角 ArtDeCorner への行き方
小轉角 ArtDeCorner は、台湾鉄道「台南」駅から南に少し行ったあたり、開山路にあります。駅からは歩いて20分くらい、タクシーだと10分かからないくらい。
周囲には台南市立博物館や明延平郡王祠などの観光スポットがあるほか、カフェや飲食店も点在しています。週末花市場がある南門公園からも徒歩圏内なので、散歩がてら訪れるのもおすすめです。
ひとつ注意しておきたいのが、小轉角 ArtDeCornerは常時オープンしているわけではなく、基本的には展示やイベントが開催している期間にしか入ることができないということ。
そのほか随時ワークショップ活動、1時間の館内ガイドツアー(6名以上のグループのみ受付、有料)なども行なっているそうです。イベントのお知らせは公式サイトでチェックしてみてくださいね。
生まれ変わった木造建築は見どころがいっぱい
約100年の歴史を持つ木造建築は、日本統治時代に建てられたこともあってどこかなつかしいような雰囲気。屋根をくり抜いた窓からやさしい光が入り、ところどころに配されたグリーンや趣きのある壁を照らしています。
道路に面したドアは木とガラスでできています。また、台湾の建築が好きな方ならきっと反応してしまうであろうレトロな床タイルもそのまま残されています。
階段をのぼるとあらわれる小さなスペース
空間上部には、畳敷きの小さなスペースも。長い間使われていなかった倉庫エリアを改装したそうで、展示空間としても休憩コーナーとしても活用できるようになっています。
丁寧に手入れされたうつくしい梁も間近で見ることができました。吹き抜けのようになっていて、ここから周囲を見渡せるのもとても気持ちがよいものです。
ライブラリースペースでのんびり
入口から奥のほうにすすむと、ライブラリースペースがあります。建築・デザインに関する雑誌や書籍がたくさん置いてあって、好きな席に座ってぱらぱらとページをめくりながらのんびり過ごすのもよいなあと思いました。
蔵書はもちろんほとんどが中国語で書かれているものばかりなのですが、ちらほら日本語の本も発見。そのほか、絵本があったり、台南にまつわるさまざまな媒体があったり。活字好きにはたまらない空間です。
台湾の建築や文化にふれられる、洗練されたアート空間
ちょうど私が訪れたときは、アートイベント「南巷藝事 Art Lane Tainan」が開催されており、何人かのアーティストによる作品が展示されていました。また館内には、この建物を設計した建築デザイン会社「和光接物」が今までにつくりあげてきた住宅の模型もあり、一つひとつの空間をじっくりと見て楽しむことができました。
ふと窓の外に目をやると、広々とした中庭が! 細長いテーブルとチェアも用意されていて、「私もこんな中庭のある、自分たちだけの空間がほしいなあ……」と思ったのでした。
私たち夫婦もちょうどお店の設計デザインを考えていたタイミングで、空間の見せ方や照明、インテリアなど参考になるところもたくさん。次回、また違ったアートイベントや興味のあるワークショップが開催されるときに、ぜひ再訪したいと思います。
おわりに
過去に小轉角 ArtDeCornerを訪問した際のブログ記事です。よろしければこちらもご覧くださいませ。
台湾のレトロ建築に関する書籍、おすすめはこちら。