【白露】相性抜群のワインといただく
かぼちゃのスパイスキーマカレー【二十四節気の料理レシピ】
「台湾でたのしむ二十四節気」について
「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく2本立て記事のシリーズです。
毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。
白露編ひとつめの記事は、下記のリンクからご覧くださいませ。
【二十四節気の料理15】白露の時期に、かぼちゃのスパイスキーマカレー
これからの季節に食べたい「かぼちゃのスパイスキーマカレー」のレシピをご紹介します。
日本では主に7〜8月に収穫されるかぼちゃですが、数ヶ月の間保管して追熟することでさらにおいしくなり、栄養価も高まるのだそう。そのため、夏に収穫してすぐ食べるよりも、秋から冬にかけて味わうのが理にかなっています。また日本には、冬至にかぼちゃを食べる風習もありますよね。
たくさんのスパイスを使ってつくる本格的なキーマカレーに、かぼちゃをたっぷりと入れてみました。さいころ型にカットしたものは豚ひき肉とともに煮込んで甘みを引き出し、ローストしたものはトッピングに。カレーを引き立てるターメリックライスの黄色&パクチーの緑色が食欲をそそる一品です。
身体を温めて疲労を回復させてくれるかぼちゃに、血と気を補い滋養強壮によい豚肉、新陳代謝を高める香味野菜とスパイスを組み合わせています。日が短くなり鬱々とした気分になりやすい秋だからこそ、季節の食材を使ったおいしいカレーでエネルギーをチャージしましょう。
カレーのレシピはこちらもどうぞ。
かぼちゃのスパイスキーマカレーのかんたんレシピ
【材料(つくりやすい分量)】
かぼちゃ200g、豚ひき肉300g、玉ねぎ(中)1個、エリンギ1本、セロリ1本、しょうが1かけ、にんにく1かけ、トマト缶1/2(200g)、水適量、生赤唐辛子1〜2本、ローリエ(乾燥)1枚、レーズン適量、塩少々、米油大さじ2、スパイス(クミンシード大さじ1、コリアンダーシード小さじ1、ターメリック小さじ1、ガラムマサラ小さじ1、クローブパウダー小さじ1/2、カルダモンパウダー1/2、シナモン少々)、パクチー適量、ごはん(写真はターメリックライス)適量
【作り方】
1. 玉ねぎ、セロリ、しょうが、にんにくをそれぞれみじん切りにする。エリンギも粗めのみじん切りにしておく。赤唐辛子は小口切りに。レーズンも細かく刻む。
2. かぼちゃは少量を皮ごと薄切り(ロースト用、1皿あたり2切れのせられるように数を調整する)にスライスして、残りの煮込み用は8mm角にカットする。
3. 鍋に米油をひいて熱し、玉ねぎ、クミンシード、コリアンダーシードを加えて炒める。
4. ぱちぱちと音がしてきたらセロリ、しょうが、にんにく、赤唐辛子、ターメリック、ガラムマサラを加えてさらに炒める。
5. 豚ひき肉、煮込み用のかぼちゃ、塩少々を加えて炒める。お肉の色が変わってきたら、トマト缶、ローリエ、レーズン、クローブパウダー、カルダモンパウダー、水適量(ひたひたより少ないくらい)を加えて混ぜ合わせ、フタをして10分ほど煮る。
6. フタを開けて、水分をとばしながらしばらく煮る。かぼちゃに火が通ってほくほくになり、カレーが好みのとろみ加減になったら塩で味をととのえる。このタイミングでローストかぼちゃをつくる。オーブンを180℃に熱して薄切りのかぼちゃを並べ、15分ほど焼いて取り出す。
7. 最後にシナモンをふりかけてできあがり。器にごはんとカレー、ローストかぼちゃを盛りつけ、パクチーをトッピングする。
※つくるときのポイント
カレールーを使ったカレーも手軽でよいけれど、さまざまなスパイスを組み合わせたカレーもまた特別感があってよいもの。特にキーマカレーはさっと煮込むだけで完成するので、ぜひスパイスの調合からチャレンジしてみてくださいね。
今回は自宅にあるスパイスのなかから好みの味になるよう組み合わせてみましたが、レシピどおりにすべてそろわなくても大丈夫。市販のカレー粉を使ってもよいですし、クミンシード、ターメリック、ガラムマサラあたりが入ると本格的な味わいに。清涼感のあるカルダモンや甘い香りのクローブ、スパイシーなシナモンなどはお好みでどうぞ。
スパイスカレーをつくるなら、ごはんにこだわるのもおすすめ! 今回はバスマティライスを使って、ターメリックライスを炊きました。ふつうのお米に比べてパラパラとしており、口あたりも軽くてキーマカレーによく合います。
バスマティライス(2合)をさっと洗って浸水させ、ターメリック小さじ1/2、オリーブオイル少々、塩少々、ローリエ1枚を加えて、1.5倍のお水で炊いたらできあがりです。
ほかにもクミンライス、コリアンダーライス、レモンバターライスなどさまざまなタイプのごはんに合わせて楽しむことができます。食材や味つけによって相性が変わるので、いろいろ試してみるのもよいかもしれません。
かぼちゃのスパイスキーマカレーに合わせたお酒
今回かぼちゃのキーマカレーをつくるにあたって、かねてからワインと一緒に味わおうと決めていた私たち。なかでも試してみたかったのが、ゲヴュルツトラミネールというブドウ品種の白ワインとの組み合わせ!
ゲヴュルツトラミネールでつくるワインの特徴は、ライチやお花の華やかな香りと、スパイシーで甘く濃厚な味わい。定番のものよりも、少し年代が古くてユニークな味わいのする、自然派タイプがいいなあと探しまわり…。フランス・アルザス地方のVincent Fleithという生産者が手がける白ワイン、Elevage Sous Voile Letzenberg Gewürztraminer と合わせてみることにしたのでした。
飲んだ瞬間に分かるライチの芳香に加えて、熟成したゲヴュルツトラミネール特有の紹興酒のようなアロマも。とろりとした蜜のような口あたり、そしてスパイシーさがたまらない!
スパイスはもちろんカレーの中にしのばせたレーズンも狙いどおりにマッチして、「このカレーのためにあるようなワインだね…!」とふたりでため息をつきながら至福のペアリングを楽しんだのでした。
さいごに
薬膳の考え方では、乾燥しやすくなる秋には香辛料をとりすぎず、辛いものや味の濃すぎるものはひかえめにする方がよいといわれています。いつもは激辛カレーをつくりがちな私たちですが、今回は素材の味わいを生かした甘めカレーに仕上げてみました。適度なスパイスを取り入れることは、ストレス発散や身体を温めることにつながります。辛いものが好きな方は唐辛子を多めにしたり、カイエンペッパーを追加してピリッと仕上げてみてくださいね。
秋に食べたい料理レシピ、こちらもよろしければどうぞ。
本サイトでは、台湾生活のなかでみつけたおいしいものやおもしろいスポット、現地の人々に教えてもらった素敵な文化などを記録する「ミニュイの台湾シリーズ」も連載中。