ワインエキスパート二次試験の対策はこれでOK!
おすすめのテイスティング&勉強方法【保存版】
ワインエキスパート試験合格を目指す方へ
日本ソムリエ協会(J.S.A.)が主催するソムリエ・ワインエキスパートの試験。例年どおり、8月末で一次試験の期間が終了しました。合格された方、おめでとうございます! また今回残念ながら合格を逃してしまった方も、本当におつかれさまでした。
ワインエキスパート受験の方が一次試験(筆記)を突破した後は、10月上旬に行われる二次試験(テイスティング)に挑戦することになります。
試験当日は、4種類のワインと1種類のワイン以外のお酒をその場でテイスティングして、正しい解答をすることが求められます。ワインに関してはテイスティングシートに各方面のコメントをマークし、最終的に国、品種、ヴィンテージを答えなくてはいけません。
前回の記事では、夫婦でワインエキスパート試験にチャレンジして同時に合格した私たちが、一次試験対策で実際に行った勉強法についてシェアしています。
対策方法については一次試験、二次試験とも共通する部分があると思いますので、よろしければこちらもご一読ください。
さて、今回の記事では、二次試験のために実際に私たちが行った対策をシェアしていきたいと思います!
ワインエキスパート試験テイスティング対策のコツ
ワインエキスパート二次試験における対策は、とにかく時間内に正しい回答を導き出すことができるようにすること、これに尽きます。
二次試験についての情報は、ワイン受験.comというサイトの二次試験対策講座というページに分かりやすくまとめられています。まずはこちらをしっかりと読んで、試験当日までのスケジュールを把握し、残り期間に合わせた計画を立てることをおすすめします。
それでは、具体的な対策について、5つにまとめて書いていきます。
1. ソムリエ教本の表現をしっかり把握
実際にワインを飲んでテイスティングをするのはもちろん大事。ですが、時間がある方はまずソムリエ教本の「テイスティング」の部分、そして巻末のテイスティングガイドまとめ、唎き酒用語の表などもすべて目を通してみましょう。
試験対策という意味では、細かいところまで覚える必要はないのですが、これらを読んでみると、テイスティングの目的、そしてソムリエ協会が有資格者に求めることがよく理解できると思います。
外観や香り、味わいそれぞれ、しっかりと特徴をつかんで、「赤の表現にもいろいろあるんだなあ」「花の香りといっても、品種によってさまざまだな」とあらかじめ理解しておくことが合格への近道になるはず。
また、これに関連して、普段の生活で実際に出合う香りを意識することも大切です。
フラワーショップでお花の香りを比べてみる、アロマオイルを試す、料理が出てきたらそれぞれの食材や調理法の特徴的な香りを確認する…。そんな風にして身のまわりにあるさまざまな香りを知るだけでも、テイスティングがもっと楽しくなります。
時間的に余裕がある方は、ワインを飲む前にアロマキットで香りをとる練習をしてみるというのも勉強になると思います。
2. ワインテイスティングの本を読み込む
試験対策の前半で取り入れてよかったなと思うことのひとつは、ワインテイスティングに関する本を何冊か入手して読んだことでした。こちらは一般的なワインテイスティングの本でも、試験対策のための本でも、どちらでもよいと思います。
私たちが主に使用していたのは「ワイン力をアップするテイスティング・ワークブック」。産地やブドウ品種ごとに飲み比べながら、共通点や違いをしっり覚えていくという方法で、基礎的なテイスティング力を身につけられる良書です。
2018年時点では題材となるワインも比較的手に入りやすく(ワインのラインナップは購入前にチェックするのがおすすめ)、お手本となるテイスティングコメントもついているので試験対策にぴったりでした。
ほかには、「ワインテイスティングの基礎知識」「ワインテイスティングバイブル」という2冊の本もとても参考になりました。この2冊に関しては、今も時々読み返して、国や産地、品種ごとの特徴を知るのに役立てています。
3. 毎日テイスティングしてシートに記入
自宅でテイスティングを行う際には、試験当日と同じINAO テイスティンググラスを用意し、これを使っていました。またテイスティングシートも事前に印刷しておいて、毎回テイスティングコメントを残して後で振り返れるようにしました。
テイスティングシートは、各ワインスクールや試験対策サイトなどでダウンロードすることができると思います。
また前述のワイン受験.comサイト内で紹介されていた、「小ビン詰め替え法」という方法を採用。フタつきのビンをたくさん買ってワインを小分けにして、ビンの底には銘柄やブドウ品種を記入したふせんを貼りました。
テイスティングしたいワインをこうして分けて冷蔵庫に保管しておくことで、自分たちで簡易的なブラインドテイスティングを行うことができるようになり、とても便利でした。
ちなみに、食事でもドリンクでも、何かを口にした後だとワインの味や香りが分かりにくくなります(歯磨きも同様)。試験当日はもちろん、ふだんの練習のときも、できるだけお腹をすかせた状態でテイスティングを行うようにしていました。
試験前の一カ月くらいは毎日、平日は夫が仕事から帰ってくる少し前にひとつのビンを取り出して、食事前に時間を決めてテイスティングをしていました。お腹がすいているときや疲れているときはつらかったですが、終わってからふたりで答え合わせをしつつゆっくり味わえるのが励みになりました。
休日は、食事の前にビンを取り出し、本番と同じように4種類まとめてテイスティング。こちらも記入したシートを交換して答え合わせをして、見本コメントや対策本を参考にしながら自分たちの間違えやすいところを確認したりしていました。
4. テイスティング練習ができる対策講座を利用
自宅でのテイスティングをメインに行っていた私たちですが、さすがに一回くらいは講座を受けてみようか?と、当時住んでいた大阪で行きやすい場所にあるワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の二次試験対策講座に申し込みました。
二次試験の対策講座は単体で申し込めるスタイルだったので、苦手分野の「新世界のワイン」と「本番シミュレーション」の2つを受講。そのときの講師の方がとても分かりやすくテイスティングのコツを教えてくださり、合格へのモチベーションを高めるよい機会にもなりました。
そのほか、JSA認定シニアソムリエの方が運営しているちょっとまじめにソムリエ試験対策こーざというサイトの「テイスティング対策必勝マニュアル」も購入して、日々のテイスティングに活用しました。「試験合格のために!」という目的がはっきりしておりマニュアル自体もおもしろかったので、個人的にはおすすめです。
二次試験対策をしている中で、「目の前のワインに向き合い、感じたことをシートに記入する」のがよいのか、「外観や香りからこれ!と思うワインを選び、暗記した模範コメントに則して解答する」のがよいのか。多くの方が一度は悩まれることかもしれません。
私たちは、過去に出題されたワインの傾向や各サイトの予想などをリサーチしてみて、スタンダードではないものが出たときにすべてを外して解答してしまうのは得策ではないな、と思いました。なので、ある程度の模範コメントは覚えつつ、素直に感じたまま記入して、それらから最終解答を導くというスタイルをとっていました。
とはいえ、どちらが正解でどちらが不正解というのはないと思います。教えてくださる先生たち(やサイト運営者の方も含めて)それぞれの異なる考え方のなかから、自分に合うものを採用して、それを信じてしっかりと対策をすることが大切です。
5. お店でブラインドテイスティング
毎日自宅でテイスティングをしていても、購入しているワインはもう知っているし、先入観をなくして挑むのはなかなか難しいな…と思うときもありました。そこで役立ったのが、ワインバーやワインショップでブラインドテイスティングをさせてもらうことです。
インターネットで「ワイン ブラインドテイスティング」などのキーワード検索をすると、近くでブラインドテイスティングを試せるお店が見つかると思います。
私たちもいくつかのワインバーにお邪魔してブラインドテイスティングに挑戦したり、ワイン以外のお酒を全種類(!)試させてもらったりしました。
近くになかなかそういったお店がない場合は、ウェブショップで試験対策ワインセットを取り寄せるのもおすすめ。
今は自宅にいながらにしてオンラインで講座を受けることもできます。またハーフボトルのセット、テイスティングコメントつきのセットなど目的に合ったものを探すのがよさそうです。
さいごに
ワインエキスパートの二次試験対策について、私たちが実際に行ったことを書いてきました。もともとワインが好きで毎日のように飲んでいたふたりでしたが、試験対策となると選ぶワインも変わります。
対策用のワイン以外にも、単一品種のものや特徴が分かりやすいものはすべてテイスティングをしてシートに記入したり、食事どきもテキストや参考書を傍らに置いたり…。
ふたりでいる時間もすべて試験対策にささげたような数カ月間でしたが、とても学びが多くて楽しい日々でした。
今年受験予定の方も、時間はまだまだあります! ぜひ最後まであきらめずに、楽しみながらテイスティング対策に取り組んでほしいなと思います。
過去に書いた記事で「ワインエキスパート試験に合格してよかった&変わった10のこと」というタイトル(前半、後半あり)もありますので、モチベーションが上がらないな…というときなどに、ぜひご覧くださいね。