【薬膳おつまみレシピ10】
銀杏と蓮根(れんこん)の素揚げ【秋の料理】
季節の食材でつくる薬膳おつまみ
薬膳マイスターのほか、ワインエキスパートおよび唎酒師の資格を持つ筆者が、季節の食材でつくる薬膳おつまみレシピ、そしてそれに合うお酒をご紹介します。詳しくは第一回目の記事をご覧くださいませ。
薬膳おつまみレシピ10
銀杏と蓮根(れんこん)の素揚げ
秋の夜長には、お酒を片手におうち晩酌を楽しむのが幸せですよね。旬の食材を生かしたメニューをささっと作るなら、シンプルな季節野菜の素揚げはいかが?
油でさっと揚げてから、産地や製法にこだわった上質な塩をふりかけるだけでも、最高においしいおつまみになりますよ。
銀杏と蓮根(れんこん)の素揚げの作り方
〔材料(作りやすい分量)〕
銀杏 10〜15粒
蓮根 100g
米油(サラダ油でもOK) 適量
塩 少々
どちらも身体に良い健康食材
〔作り方〕
1.銀杏の殻むきをする。ペンチなどで上下の尖った部分にヒビを入れてから、殻と薄皮をむく。
2.蓮根の皮をむき、好みの厚さに切る。水にさらしてからキッチンペーパーで水気をとる。
3.鍋に米油を入れて熱する。銀杏と蓮根をそれぞれ素揚げする。
4.銀杏と蓮根を引き上げて油を切る。熱いうちに塩をふりかける。
薬膳メモ
銀杏も蓮根も、薬膳の世界では身体に良い食材として親しまれています。銀杏は、咳や喘息を抑えたり疲労を回復させるなどの効果がありますが、食べすぎると中毒症状を起こすので1日10個ほどにひかえておきましょう。
蓮根は、身体の渇きを潤してくれるほか、胃腸の調子をととのえたり、喉の痛みを解消したり、貧血予防などさまざまな方面でプラスの効果を発揮してくれます。
料理をおいしくする+1のアイデア
油は少なめに、揚げ焼きにするくらいの感覚で十分おいしくできます。銀杏は、黄色〜翡翠色に変われば食べごろです。蓮根は好みの固さに仕上げてくださいね。また、塩に加えて粉山椒やアオサをふりかけても美味。
合わせたいのはこんなお酒
日本酒なら、冷たくても温かくしてもおいしく飲める食中酒タイプの純米酒をチョイスしてみて。最初は冷やして、後で少し温めながら、野菜を二度揚げして熱燗でいただく…といった具合で温度帯を変えていくのがいいかなと思います。
あとは、秋を思わせるような黄金色が特徴の「オレンジワイン」を組み合わせるのもおすすめです。日本のワイナリーが手がけるオレンジワインには、渋みと旨みのバランスがとれたやさしい飲み口のものが多数。野菜のほろ苦い味わいとの絶妙なマリアージュを楽しんでみてください。
例えばこちら↓
開運 特別純米〔静岡・土井酒造場〕
静岡県掛川市で1872年(明治5年)に創業という古い歴史を持ち、全国屈指の名酒蔵である土井酒造場。伝説の杜氏・波瀬正吉氏による伝統的な酒造りの技術は、現在では若き5代目蔵元に受け継がれています。
代表的な「開運」シリーズから、スタンダードな特別純米酒を選んでみました。兵庫県特A地区産の山田錦を55%まで磨いて醸しており、お米の旨みとキレのある飲み口を堪能できる一本です。軽やかなのにコクもあり、最後の一滴まで飲み飽きません。
銀杏も蓮根も、どちらも肺の働きを高めてくれる食材なので、乾燥しやすい秋にはぴったり。ヘルシーな食材をおいしくいただいて、寒くなるこれからの季節に備えていきましょう。
注記: 本記事は、日本酒情報サイト『osakelist』にて連載していたレシピ記事に加筆・訂正を加えたものです。