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【啓蟄】シェリーと合わせて味わう
あさりと三つ葉の炊き込みごはん【二十四節気の料理レシピ】

ストウブでつくるあさりの炊き込みごはんが炊きあがった様子
食とお酒

「台湾でたのしむ二十四節気」について

「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく記事2本立てのシリーズです。

毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。

啓蟄編ひとつめの記事は、下記のリンクからご覧くださいませ。

【二十四節気の料理03】啓蟄の時期に食べたい、あさりの炊き込みごはん

今の時期に旬を迎えるあさりは、春の養生に欠かせない食材のひとつ。貝類全般にいえることですが、あさりには肝臓にはたらきかけて解毒を促すほか、余分な熱を冷まして乾燥したのどをうるおすといった作用も期待できます。

ちなみに私の住んでいる台湾では、新鮮なあさりを使った炒めものやスープがポピュラーで、ショウガやにんにく、バジルなどの香りが強い食材と組み合わせるのが定番。日本の味つけとはまた違ったおいしさで、台湾料理レストランや熱炒(台湾式居酒屋)に行ったときにメニューにあるとつい頼んでしまいます。

今回は、あさりを主役にした炊き込みごはんをご紹介します。あさりと同じく解毒作用があり、食欲増進やイライラを鎮める効果もある三つ葉を合わせて、春にぴったりの一品に仕上げました。

ストウブでつくるあさりの炊き込みごはんが炊きあがった様子

殻むきあさりを使っても気軽につくることができますが、旬をまるごと楽しむなら殻つきを蒸して用いるのがおすすめです。もち米を加えて炊いたふっくらごはんにはあさりの出汁がしっかりと効いていて、これだけでいくらでも食べられそうなおいしさ。三つ葉のさわやかな風味もよいアクセントです。

あさりと三つ葉の炊き込みごはんのかんたんレシピ

【材料(ごはん2合分)】

白米2合、もち米、あさり、三つ葉、だし、水、醤油、みりん、酒、こしょう

【作り方】

1.お米2合にもち米少々を加えてとぎ、30分くらい浸水させる。その後、ざるに上げて水気を切っておく。

2. あさりの下ごしらえをする。鍋によく洗って砂抜きしたあさりを入れて、水1カップ、お酒少々、塩、こしょうを加える。フタをして中火で蒸し、すべての殻が空いたら取り出して身と殻を分ける。だしと醤油を1:1にしたものをあさりの身にかけて、なじませておく。

ボウルに入ったあさりの酒蒸し

3. 計量カップに2のあさりから出た出汁(砂などが入っていたらキッチンペーパーなどで濾す)を移し、合計400mlになるように水を加える。醤油、みりん、お酒を少量ずつ加えて、浸水したお米と合わせる。

ストウブでつくるあさりの炊き込みごはん(炊く前)

4. お米を炊く。鍋の場合は、中火にかけて沸騰させてから一度しゃもじでさっくりと混ぜ、フタをして最弱火で10分。三つ葉を刻んでおく。炊きあがったらフタを開けて2のあさり、三つ葉をのせる。またすぐにフタをし、10分蒸らす。

ストウブでつくるあさりの炊き込みごはんが炊きあがった様子

5. 炊きあがったごはんをしゃもじでさっと混ぜて、お茶碗によそう。好みで炒りごま、刻んだ生の三つ葉、あさりの生姜煮(下記にかんたんなレシピあり)などをのせていただく。

ストウブでつくるあさりの炊き込みごはんが炊きあがった様子

※つくるときのポイント

長時間熱するとあさりの身が固くなってしまうので、酒蒸しのときは殻が開いたらすぐに取り出すようにしましょう。お米を炊く間にあさりにだし醤油をなじませておくのも、おいしさアップの秘訣です。

器に入ったあさりのしょうが煮

もしもあさりが余っていたら、炊き込みごはんができあがるのを待つ間に、あさりの生姜煮をつくっておくのもおすすめ。レシピの手順2と同じ要領で蒸したあさりに、千切りにしたたっぷりの生姜、醤油を合わせて軽く煮立たせるだけなので簡単!

ストウブでつくったあさりの炊き込みごはん

炊き込みごはんにのせて味の変化を楽しんだり、小鉢に盛りつけておつまみとして味わったり。私たちは別の日に茹でたそうめんと混ぜていただきましたが、とってもおいしかったです。

あさりと三つ葉の炊き込みごはんに合わせたお酒

あさりの風味を生かした炊き込みごはんにはもちろん日本酒も合うのですが、ぜひ試してみてほしいのがシェリーとの相性。

シェリーとは、スペイン・アンダルシア州で生産される酒精強化ワインのこと。原料はブドウのみで、蒸留酒やリキュールとは異なります。甘口タイプも多く食前酒または食後酒として扱われがちなシェリーですが、料理に合わせてもおいしい辛口タイプがいくつかあります。

シェリーはお酒の分類でいうと白ワインなのですが、独特の風味があって台湾料理ほか中華にもよく合います。我が家ではフィノ、マンサニージャ、アモンティリャード、オロロソといったシェリーのボトルを常時用意していて、そのときのメニューによって好みのものを選んでいます。

スペインのシェリー マンサニージャとグラス

今回ふたりで「あさりには絶対これだよね!」とチョイスしたのは、マンサニージャ。Osborne という生産者のManzanilla Sherryがちょうど手元にあったので、ボトルを開けてみました。

スペインのサン・ルーカル・デ・バラメーダという場所でつくられるマンサニージャは、うつくしい麦わら色とドライな口当たりが特徴です。ほんのりと感じられる塩気、軽やかながら複雑さも含んだ独特の味わいは、あさり料理にぴったり!冷やしてから小さめのグラスに注ぎ、炊きたてのごはんと一緒に楽しむのがベストな飲み方かなと思います。

さいごに

余ったごはんは翌日焼きおにぎりにして、海苔を巻いてランチに。これもまた最高でした…! 三つ葉のほかにパクチーやねぎを合わせてもおいしくいただけるあさりの炊き込みごはん、また近いうちに違った食材の組み合わせと味つけでつくってみたいな。

春に食べたいレシピ、こちらもどうぞ。

本サイトでは、台湾生活のなかでみつけたおいしいものやおもしろいスポット、現地の人々に教えてもらった素敵な文化などを記録する「ミニュイの台湾シリーズ」も連載中。

ブログでは、夫婦ふたり暮らしの台湾でのささやかな日常を綴っています。まずはこちらの記事からどうぞ。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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