【旅エッセイ】
台中の第二市場で朝ごはん

旅とエッセイ

〈旅日記1〉 台湾(台北・台中)

5日目 朝

台中に到着した夜、大好きな夜市巡りを楽しんだ私たち。翌日は、ホテルから少し歩いた場所にある第二市場での朝ごはんからスタート。

台中市の旧市街エリアにある第二市場(正式名は台中市公有第二小売市場)。

建てられた当初は、富裕層や日本人向けにつくられたちょっと高級な市場だったのだそう。現在は地元の人たちが利用する市場になっているが、昔の名残で日本製のものも多く売られているらしい。

中心にある六角楼を取り囲むように、三つの建物が放射状に伸びているつくり。市場内には六つの通りがあって、それぞれ食品、衣料、雑貨などのエリアに分かれている。

ここは美食が集まる市場としても有名で、あちらこちらの店に人だかりができている。まずは「山河魯肉飯」で、名物の魯肉飯を食べてみることにした。

店頭には副菜の入ったバットやスープの入った寸胴がずらりと並んでいる。ほかのお店にも行きたかったので、魯肉飯一つに副菜やスープをオーダーしてみた。

お店には広めのイートインスペースがあり、好きなところに座ればOK。注文の列は途切れないものの、そこまで混んではいないので居心地がよい。

散歩途中の犬が寝そべっていたりして、のんびりムードだ。

魯肉飯といっても、こちらのものは大きな角煮がメインで、肉そぼろは少しだけ。台北では焢肉飯と呼ばれるタイプだ。

よく煮込まれた肉は柔らかくて、お箸で切れるほど。甘めのタレが食欲をそそる。副菜の茄子の炒め物、メンマと漬物のようなもの、冬瓜のスープ、どれもおいしかった。

夫には「頼みすぎじゃない?」とよく言われるけれど、食いしん坊な私はいろいろ試してみたいのだ。

近くにはいくつか魯肉飯のお店があるが、夕方から翌朝5時(!)まで営業しているというお店も。市場で働く人たちが、夜食や早めの朝ごはんに利用するのだろうか。

食事を終えて、市場内をぶらぶらと散策。

おいしそうな屋台が次から次へと登場するので、眺めるだけでも楽しい。台湾らしく、通路もすっきりととのっていて快適だ。(通路内はバイクやスクーターも通るので、そこだけはご注意を!)

たくさんのお客さんで賑わう意麺のお店を発見。看板には、福州意麺老店と書かれている。

隣接する店舗も同じ系列らしく、テイクアウト専門&イートインできる店に分かれているようだ。店員さんたちはみんなやさしくて、奥の方の席へこころよく案内してくれた。

壁には雑誌やテレビの特集ページ、有名人との写真などがたくさん貼られている。三代にわたって営業している老舗店だけあって、評判も高いのだろうな。

すでに魯肉飯を食べてしまっているので、ここでは福州乾意麵を一つとワンタンスープを注文してみた。

意麺とは、いわゆる混ぜ麺のこと。肉そぼろとネギ、下にたまったタレがもちもちの麺によく絡む。ワンタンスープもとてもおいしくて、意麺と順番に味わうとちょうど良いバランスだ。

ビールを持ち込んでも大丈夫ということで、いそいそとビールを調達しに行く夫。確かにお酒がすすむ濃いめの味わい。あっという間に完食してしまった!

ふう、お腹いっぱい。第二市場、楽しいな。明日も朝ごはんを食べに来ようと心に決めた。

予定外にのんびりしていたら、朝ごはんというかすでにブランチの時間帯に…。行きたい場所もたくさんあるので、市場散策はこのへんで終わり。

ホテルに戻って支度をしてから、改めて出発。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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