おうちで楽しむギリシャ料理と
個性豊かなギリシャワイン
我が家の食卓 世界ごはんシリーズ
旅行が大好きで、国内外問わず、行く先々ではおいしいものとお酒をとことん味わうのが私たち夫婦のスタイル。
またおうちでもいろいろな国の料理を作るのが習慣となっていて、平日はひとりであれこれ調べながら、週末にはふたりでゆっくりお買い物や料理をしながら楽しんでいます。
そんな趣味からはじまり、大阪では週末に間借りバー「旅ごはんとお酒 bar ミニュイ」をオープンして運営していました。毎回異なる国や地方の料理を作り、メニューを組み立て、それらに合うお酒を用意して…。
忙しい日々ではありましたが、来てくださるお客さまたちに好きな国の食文化を紹介できること、各国のお料理とお酒の楽しい組み合わせをシェアできたことは、とても良い経験でした。
台湾に来てからも、おうちで定期的にこの「世界ごはんシリーズ」を開催しています。あるとき、ワインショップで珍しいギリシャワインを見つけ興奮のままに購入。それらのワインを主役にして、週末にギリシャ料理をつくってみました。
ギリシャ料理について
ギリシャ料理というと、何を思い浮かべるでしょうか?オリーブオイル、チーズ、シーフード…ギリシャには、地中海ならではの食材を使った伝統的な料理がたくさんあって、どれもワインにぴったり! 素材を生かしたシンプルな料理、お米を使った料理など、日本人好みのメニューが多いのも特徴です。
味わいとしてはいわゆる地中海料理がベースになるのですが、トルコ料理やレバノン料理との共通点もあり、スパイスを使ったエキゾチックなメニューも少なくありません。
今回は、台湾で手に入る食材のみを使用。サラダ、揚げもの、マリネ、ディップ、メインのお肉料理と、バランスよく楽しめるようなメニュー構成にしてみました。
おうちでギリシャ料理ディナー
ギリシャの白ワインからはじまる、ギリシャ料理ディナーの会。
《この日のメニュー》
- フェタチーズのグリーンサラダ
- 海老のレモンハーブマリネ
- なすとくるみのディップ
- タラモサラタのケフテデス(コロッケ)
- 自家製ソースでつくるムサカ
フェタチーズのグリーンサラダ
サラダの具材は、ベビールッコラ、きゅうり、ミニトマト、オリーブ、紫玉ねぎ。ドレッシングは、オリーブオイルに塩と胡椒、白ワインヴィネガーを加えて混ぜただけのシンプル仕立てです。
ギリシャ料理に欠かせないフェタチーズは、羊や山羊の乳からつくられたもの。一晩牛乳に漬けて、塩抜きをしてからほぐしてトッピングしました。
海老のレモンハーブマリネ
海老をさっと塩ゆでして、オリーブオイルと生レモン果汁、オレガノを合わせたマリネ液に漬けてあります。器に盛りつけるときは、輪切りのラディッシュをしきつめ、ケッパーをふりかけて。
なすとくるみのディップ
オーブンで焼いて皮をむいたなすは、水分を切った後に包丁でたたいてディップ状にします。そこに乾煎りしたくるみをすりつぶしたもの、塩、胡椒、はちみつ、ナツメグ少々を加えて混ぜ合わせるだけ。焼きたてのバゲットスライスを用意して、つけながら食べてもおいしいと思います。
タラモサラタのケフテデス(コロッケ)
ギリシャ料理の定番、タラモサラタ(じゃがいもやパンをすりつぶして魚卵と混ぜたもの)は、コロッケに。すりつぶしたじゃがいもとみじん切りの玉ねぎに明太子とレモン汁、塩胡椒、片栗粉を加えてつくりました。
自家製ソースでつくるムサカ
名物のムサカは、なすやじゃがいもをミートソースとベシャメルソースではさんでオーブンで焼き上げる料理。作り方も味わいも、ラザニアと似ています。先にじゃがいもとなすを揚げ焼きして、それぞれのソースを重ねてつくりました。ベシャメルソースにはパルメザンチーズを加えるのがギリシャ流。さらに上にチーズをふりかけて、耐熱容器で焦げ目がつくまで焼いたら完成です。
ギリシャ料理に合わせたワイン
今回ギリシャ料理に合わせたのは、民生社区というエリアにある素敵なワインショップ、L’Étoile Vin (星澈酒品)にて購入したギリシャワインたち。
白ワインは、世界のトップ100ワイナリーに選ばれているドメーヌ・シガラスの「 Santorini Assyrtiko」をチョイスしました。
サントリーニ島で栽培されているアシルティコという土着のブドウ品種100%でできたこのワイン。白い花や柑橘類の華やかな香り、十分なミネラル感が印象的です。リッチさもあるのにエレガントにまとまっていて、フェタチーズのグリーンサラダや海老のレモンハーブマリネにぴったりでした。
ロゼワインは、白ワインと同じくドメーヌ・シガラスの「EAN」。「 Santorini Assyrtiko」と比べるとやや安価なのですが、ベリーやチェリーなどの果実、キャンディのような甘さが主張するチャーミングな味わい。マヴロトラガノという希少な品種でつくられており、ほどよい酸味とドライな口当たりはタラモサラタのケフテデスによく合いました。
赤ワインは、北ギリシャで自然派ワイン造りを行うティピオプロス・ヴィンヤードが手がける「Xinomavro Nature」。いかにもナチュラルワインな独特の旨みがあり、梅やいちごのジャム、土っぽさを感じるクシノマブロです。
なすとくるみのディップに合うのはもちろん、スパイシー感もあるのでムサカとの相性も抜群! 強すぎずさらっとしすぎず、バランスのとれた一本でした。
さいごに
海外のお料理をつくるとき、本や雑誌、インターネットなどで食文化について細かく調べることからスタートします。料理やお酒への興味からはじまる、刺激とインスピレーションに満ちた時間。いつか行く旅の予習だと思うとなおさら、楽しい気持ちが増すのです。
地方によって使う食材が違ったり、同じ料理でもさまざまな流儀があったりすることも。日本や台湾ではなかなか欲しい食材がそろわないこともあるけれど…作り方や調味料など、ポイントを押さえればたいていおいしくできてしまうもの。
我が家で開催している「世界ごはんシリーズ」、今後も定期的にご紹介していくつもりです。次はどこのお料理にチャレンジしようかな?