【旅エッセイ】台北・台中をめぐる夫婦ふたり旅/南機場夜市でローカルグルメ

旅とエッセイ

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私たち夫婦をとりこにする、台湾

はじめての場所を訪れるのが好きな私たち。短い期間に、同じ旅先をリピートすることはめったにありません。
そんななかで唯一の例外といえるのが、台湾です。
 
上海に住んでいた頃、中国の三連休を利用して訪れた最初の旅では、ほんとうに衝撃を受けました。街並みや人々、空気、食べもの…。同じ中華圏なのに、あらゆるものが上海のそれとは違っていたからです。日本−中国間をよく行き来していた私たちにとって、日本とも上海とも似ていない台湾という場所が、ちょうど心地よく感じられたのでした。

そうして台湾のとりこになったあと、ひとり旅や友だちとの旅行をくりかえし、夫婦ふたりでふたたび足を運ぶこととなりました。

に出かける前に必ずすること

台湾に限らず、どこに出かけるときも、準備することや段取りはだいたい決まっています。
プランニングやホテル選定、フライト予約などの事務作業は私が担当。現地での交渉事に関しては、主に夫が対応してくれます。

また、出発するまでに、旅先で聞く音楽をダウンロードしたり、現地の旅行サイトで口コミをチェックしたりといった情報収集も欠かせません。

旅のいちばんの目的は、なんといっても食べものとお酒です。ふたりのこだわりポイントが似ているので、ガイドブックをチェックしていても、気になるものは同じ。どうしても行きたいところは事前に予約しておきますが、たいていは到着後、早いうちにホテルのコンシェルジュに相談して、予約までお願いしてしまいます。

荷物の準備は前日にぱぱっと終わらせます。ふたりとも荷物はわりと少ない方でしょうか。おみやげをたくさん持ち帰るために、スーツケースは大きめのと小さいのをひとつずつ。

持っていく服と日々のコーディネートをお互いに確認して、テイストやカラーを合わせたりするのも気分が盛り上がります。

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〈旅エッセイ〉1 台湾(台北・台中)

1日目

今回の旅は、台北でニューイヤーを楽しみ、そのまま台中をめぐるというスケジュール。
夕方に台北の桃園国際空港に到着して、そのままバスで台北市内に向かうためバスのチケットを購入する。

いつも空いているバス乗り場がめずらしく大混雑。台北車站(台北駅)までの国光客運もバスを待つお客さんで行列ができていたものの、意外とすぐ乗りこむことができた。約1時間後、駅に到着してそのまま宿泊ホテルへ。

台北旅の前半に予約していたのは、台北車站近くにあるHOTEL RELAX (旅楽序)。オープンしてまもない5館は、新しくてとてもきれい。客室もコンパクトながら洗練されていて好みだし、水周りからアメニティまでまったく問題なさそう。台北にはここみたいに、小さくて個性的なデザインホテルがたくさんあるのが嬉しい。

初日の夜、南機場夜市に到着

荷物を整理したら、さっそく夜ごはん! ホテルの前でタクシーを拾い、お目当ての南機場夜市に到着。

ここは、観光夜市ほどの派手さはないものの、日本のお祭り屋台のようななつかしい活気にあふれている。おいしいものが目白押しなうえローカル感があって、今のところ台北でいちばん好きな夜市だ。私はひとり旅のときにも来たことがあるけれど、ふたりで訪れるのははじめて。せっかくだから、食べたことのないお店に行こう。

台北・南機場夜市の入り口

まずは、人気のある「来来水餃館」で腹ごしらえ。空いている席を見つけて座り、店員さんをつかまえて水餃子と酸辣湯をお願いする。

休みなく分業で餃子を包み続ける職人さんたち、一日に何個くらい作っているのだろう…。

お客さんでいっぱいの店内を眺めながら、待つこと15分。ゆでたての水餃子には豚肉の旨みがつまっていて、皮までしっかり味がする。これならいくつでも食べられそう。

相席になった年配のご夫婦は、地元の人らしい。黙々と餃子を頬張る旦那さんを横目に、「1、2、3…」と残りの数をチェックしながら文句をいう奥さん。なんだか微笑ましかった。

それを見た夫は笑いながら、「いくらでも食べていいんだよ」とお皿を差し出してくれた。食いしん坊の私に、彼はいつもやさしい。

おいしくて安い屋台ごはんを満喫

次に、「好佳蚵嗲」というお店のカウンターで、牡蠣を衣で包んで揚げた「蚵嗲」をいただく。もともとは台南地方の名物であるらしい。調理風景を眺めていたらほかのメニューも気になって、香菜を揚げたものも追加オーダー。かき揚げのようなざっくりとした食感がおもしろい。

「好吃炸雞」という屋台のフライドチキンも気になっていたけれど、さすがに胃もたれするかしら…と断念。かわりに、何かの記事で見て気になっていた「龍珠」をテイクアウトしてみた。これはタコのくちばしで、むっちりとした食感がなかなか美味。

台湾での旅で唯一困っているのが、お酒を置いていないお店が多いということだ。夜市だと特にそう。ビールはコンビニエンスストアで買えるけれど、お酒を飲んでいる人が少ないので何かと気を遣うのですな。とはいえ、ずっと我慢するのは不可能なので、「ビールありますか?」と聞いたり、持ち込みOKか確認したりしながら、適度に楽しんでいる。

それでもたいていの場合は飲み足りなくて、ホテルに戻ってから、あるいは近くのバーでワインなどを飲むことになる。まあその分、おいしいものが食べられるしね、と割りきることにしている。

西門町エリアでお気に入りの小吃を

夜市を満喫したあとは、西門町エリアへ。

「西門紅樓」のすぐそばにはバーストリートがあり、テラス席でお酒を飲めるバーも多く、メニューを眺めていると店員さんが「どうぞ飲んでいって〜」と声をかけてくれる。

途中で気づいたのだけれど、このあたりはゲイの方々の集まる聖地のような場所なのだった。仲の良さそうなカップルを多く見かける。周囲の人々は特に気にすることもなく、みんなとてもオープンだ。

最後に、阿宗麺線に立ち寄る。阿宗麺線は、台北でとても有名な麺線のお店だ。台湾から日本に戻ってきていちばん恋しくなるものは、麺線かもしれない。それくらいに愛してやまない麺線、この旅ではできるだけいろいろな場面で食べようと心に決めていたのだった。

そんな私に呆れつつも、夫は「大椀(ダアワン、大きいサイズの意味)」を注文するのを許してくれた。それにしても、ここの辣醤(特製ソース)は辛いー! 激辛好きなふたりでも、ひとさじ追加するだけでむせるほど。でもたまらなくおいしい。

麺線とビールを堪能した私たち。上機嫌でホテルに戻り、翌日からがしがし動くためにおとなしく就寝。

次の記事につづく!

台湾グルメは、こちらの記事もどうぞ。

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2020.04 追記 現在は台湾在住ですが、この旅エッセイシリーズは台湾へ引っ越してくる以前に書いていたものです。あえて原文のまま掲載いたしますので、ご了承ください。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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