【立夏】ワインとともに夏に味わう
エビと雑穀の台湾風お粥【二十四節気の料理レシピ】
「台湾でたのしむ二十四節気」について
「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく2本立て記事のシリーズです。
毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。
立夏編ひとつめの記事は、下記のリンクからご覧くださいませ。
【二十四節気の料理07】立夏の時期におすすめ、エビと雑穀の台湾風お粥
中華圏では、立夏に「立夏粥」または「七家粥」というお粥を食べる風習があるのだそう。これは近隣の7つの家庭とお米や雑穀を交換しあい、それを混ぜて大きな鍋でお粥をつくり食べるというもので、農村における重要な伝統行事とされていました。
現代ではあまり見られなくなったというこの行事ですが、台湾にいる私たちもせっかくなので立夏粥を食べてみよう! ということで「エビと雑穀の台湾風お粥」をつくりました。
今が旬のエビを主役につくったお粥には、消化吸収にすぐれた雑穀類、身体の熱をさましてデトックスしてくれる香味野菜がたっぷり。食欲がないときもさらっと食べられるうえ、しっかりだしが効いているからお酒のおつまみにもなります。
日本では体調が悪いときに白粥を食べることが多いですが、台湾では朝ごはんやランチなどさまざまなシーンでお粥を楽しむことができます。下記にも台湾式のお粥「肉粥」の作り方をまとめた記事がありますので、よろしければご一読ください。
エビと雑穀の台湾風お粥のかんたんレシピ
【材料(つくりやすい分量)】
白米1/2合、雑穀(今回はあわ、もち麦、押し麦、黒米など)適量、エビのむき身150g、しいたけ2〜3個、きくらげ(生または戻したもの)適量、好みの香味野菜(今回はセロリ、ねぎ、パクチーそれぞれ少々)、にんにく2かけ、しょうが1かけ、干し貝柱4個、干しエビ適量、チキンスープ(または水に鶏だしを溶かしておく)適量、紹興酒少々、塩こしょう少々、ごま油適量、エシャロット入りラード(あれば)
【作り方】
1. 干し貝柱は一晩水につけて戻す。白米と雑穀はさっと洗ってざるにあげておく(気にならなければ生米のままでもOK)。しいたけは薄切り、きくらげは細切りにカットする。香味野菜をそれぞれ刻む。
2. 鍋にごま油をひいて、中火で熱する。しいたけと干しエビを加えてさっと炒める。
3. 白米と雑穀を加えて、油が全体にまわるように軽く炒める。くっつきやすいときはごま油を足してもよい。
4. 戻した干し貝柱を水ごと加えて、さらにチキンスープを足して、沸騰するまで中火で煮る。エシャロット入りラードもここで加える。沸騰したら弱火にして、とろみがつくまでしばらく煮る。
5. エビの背わたをとって軽く洗い、キッチンペーパーで水気をとる。にんにくはあらみじん切り、しょうがは細かめのみじん切りにする。フライパンにごま油を熱してにんにくとしょうがを入れて香りを出し、エビ、紹興酒、塩こしょうを加えてさっと炒める。
6. お粥にとろみが出てきたら、5のエビを油ごと加えて混ぜ合わせる。塩こしょうで味を調整して、火を止めてから香味野菜をトッピングしてできあがり。
※つくるときのポイント
台湾では生米を炒めてお粥をつくることが多いと思いますが、私は今回のようにさっと洗ってから使うこともあります。また雑穀の種類によっては、1時間くらい前に浸水させておいたほうがよいものも。それぞれパッケージをチェックして、必要があれば洗ったり浸水させたりしてくださいね。
お米・雑穀と水分のバランスは 1 : 10 くらいになるのが目安。あまり長時間煮すぎずさらっと仕上げるのが台湾粥の特徴です。もちろん好みによって加減してもOKです!
エビと雑穀の台湾風お粥に合わせたお酒
エビと雑穀の台湾風お粥に合うお酒は、ビール、紹興酒、ハイボール…。いろいろありそうですが、今回はあえてワインを。海鮮料理に合いそうなさっぱり辛口白ワインのなかから、スペインの生産者 Fento が手がける Pedraneira Val do Salnes Albarino を選んでみました。
スペイン・ガリシア地方のリアス・バイシャスという場所で生産されているこのワインには、アルバリーニョというブドウ品種が使われています。海から近いところで栽培されることが多いアルバリーニョは、ミネラルや酸のなかに塩味や苦みも感じられるという特徴を持っています。
このワインにもその特徴はしっかり生きていて、さらにフルーティな香りとスパイシーさもあり…余韻を長く楽しめる、華やかな1本でした。
エビをにんにくとしょうがで炒めてからお粥に加えることで、ワインとの相性もさらにアップ。また食べる途中に白こしょうを加えてみると、ピリッとした風味がよいアクセントになるなあと思いました♪
ほかにもフランス・ドイツあたりのリースリング、イタリア・サルデーニャのヴェルメンティーノを使った白ワインなど、海鮮料理にぴったりのきりっとミネラリーなタイプは合わせられそう。今度つくったときは、シェリーとの相性も試してみようかな。
さいごに
朝ごはんにランチタイムに、思いたったらすぐにつくれるのが台湾風お粥の魅力。たくさんつくって余ったら、翌日に温め直して食べたり、冷凍しておいたりしてもOKです。時間がたつとお米や雑穀が水分を吸うので、温める前に水を足して味をととのえるとおいしくいただけます。
夏にとるべき食材を日々の食卓に取り入れつつ、湿気や夏バテに負けないよう身体をととのえていきたいものです。
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本サイトでは、台湾生活のなかでみつけたおいしいものやおもしろいスポット、現地の人々に教えてもらった素敵な文化などを記録する「ミニュイの台湾シリーズ」も連載中。