【台湾の麺料理】食欲をそそるスパイシーな香りと味わい
台湾式排骨麺の作り方【レシピ】
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夏に食べたい台湾の麺料理、第二弾
夏に食べたい、台湾の麺料理をご紹介するシリーズ第二弾です。第一弾の記事をまだご覧になっていない方は、そちらもご一読いただくことで本記事をさらに楽しめると思います。
先回の炸醤麺(ジャージャン麺)に続いて、今回取り上げるのは、豚肉に衣をつけて揚げた「排骨(パイグー)」がのった麺料理、排骨麺です。
ボリューム満点で食べごたえのある排骨麺
炸醤麺と並び、日本でも「パイコー麺/パーコー麺」と呼ばれて中華料理の定番メニューのひとつである排骨麺。調味料とスパイスで下味をつけた豚肉に衣をまぶして揚げ、それをスープ麺にのせて食べます。
本来は「排骨=豚のあばら肉(スペアリブ)」でつくるのが正式なスタイルで、台湾でも骨付きの豚肉を使った排骨麺が主流となっています。
バリエーションとして、揚げた排骨をさらに醤油だれで煮込んだ「紅燒排骨(ホンシャオパイグー)」もあり、こちらは柔らかい豚肉の食感と、こっくりとした濃いめの味わいが魅力。
台湾では、排骨麺だけでなく、ごはんにのせて味わう排骨飯、とろみのあるスープに揚げた排骨が入った排骨酥湯なども人気です。
ていねいに仕上げる台湾式の紅燒排骨麺
チャオさんから炸醤麺を教わったときに、排骨麺のレシピも同時に教えてもらいました。このときは醤油だれバージョンの紅燒排骨麺をつくったので、そちらのレシピをご紹介したいと思います。
この日、排骨はすでに揚げてあるものを使いました。なので本記事の後半では、別の日に私がチャレンジした揚げ排骨のレシピと写真をのせています。
「最初からつくってみたい!」と思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
先回の炸醤麺には、「手工麺(手づくり麺)」と呼ばれる太めでモチモチの麺を使いました。今回排骨麺に合わせたのは、台湾で「陽春麺」などに用いられているオーソドックスな中華麺です。
写真の手前がきしめんのような手工麺、奥がいわゆる中華麺。排骨麺のベースとなるチキンスープはあっさりしているので、どちらかというと細めのつるつるとした麺の方が合うかなと思います。
台湾式の紅燒排骨麺の作り方
【材料】
豚の排骨(揚げたもの)、乾燥しょうがスライス、青ねぎ、赤唐辛子、ニンニク、オリーブオイル、水、砂糖、醤油、紹興酒、油膏(とろみのある台湾醤油)、黒酢、チキンスープ、塩こしょう、麺(乾麺でも生麺でも)
※トッピングの搾菜肉絲の材料はこちら→オリーブオイル、青ねぎ、赤唐辛子、豚バラスライス、ラード、オリーブオイル、揚げたエシャロット、砂糖、水
【作り方】
1.トッピングの搾菜肉絲(ザーサイ肉炒め)を作る。フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、青ねぎ、赤唐辛子、豚バラスライスを加えて炒める。
2.搾菜、ラード、揚げたエシャロットを加えて炒め、水を半カップ程度、砂糖を少し加えて煮る。
3.フライパンにオリーブオイル、乾燥しょうがスライス、ざく切りにした青ねぎと赤唐辛子、つぶしたニンニクを入れて熱し、香りを出す。
4.水、砂糖、醤油、紹興酒、油膏(とろみのある台湾醤油)、黒酢を加えて軽く煮詰める。
5. 豚の排骨を加えて、両面に味がしみるよう煮る。
6.チキンスープを温めて、塩こしょうで味をととのえる。麺を茹でて器に盛り、スープを加えて豚の排骨と搾菜肉絲をのせる。青ねぎを少し散らしたら完成。
【補足】
台湾の一般的なレシピでは、オリーブオイルは使われません。自宅にあるお好きな油を使ってOKです。
濃いめの味つけが苦手な方は、最初に加える調味料を気持ち少なめにするのがおすすめ。味をみて、足りなければ少しずつ追加してください。
完成した紅燒排骨麺を試食
紅燒排骨麺を器によそって、熱いうちにいただきました。スパイスの芳香をまとった豚肉はとても柔らかくて、噛みしめるとじんわり甘さが広がります。後からくる唐辛子の辛みもクセになるおいしさです。
あっさりとしたチキンスープに煮込んだ排骨の旨みが溶けだして、だんだん味が変わっていくのも楽しめました。
搾菜肉絲(ザーサイ肉炒め)をトッピングしたのは、チャオさんのアイデア。「搾菜肉絲の塩気やしゃきしゃきとした食感があることで、甘めの排骨を飽きずに食べられるよね」とのこと、食べてみて納得でした。
ちなみに合わせたお酒は、炸醤麺の記事で紹介したものと同じ。フランス・ロワール地方のロゼ(オレンジ)ワインです。ほかにもシェリーや軽めの赤ワインなど、組み合わせてみたいお酒がいろいろ思い浮かびました。
【おまけ】おうちで簡単、揚げ排骨の作り方
排骨麺にのせる揚げ排骨は、おうちでも意外と簡単につくることができます。私も実際につくってみてとてもおいしかったので、大まかな材料と手順をシェアしたいと思います。
【材料】
とんかつ用豚ロース肉(またはヒレ肉)、醤油(あれば台湾のたまり醤油)、砂糖、黒酢、紹興酒、ごま油、五香粉、塩こしょう、にんにくのすり下ろし、しょうがのすり下ろし、卵、地瓜粉(さつまいも粉)、揚げ油
【作り方】
1.豚ロース肉の裏表をフォークで数カ所刺して、筋の部分も2、3カ所切っておく。麺棒や肉たたきなどでお肉を均等に平べったくする。
2.ボウルに豚ロース肉、醤油(あれば台湾のたまり醤油)、砂糖、黒酢、紹興酒、ごま油、五香粉、塩こしょう、にんにくのすり下ろし、しょうがのすり下ろしを加えてもみ込む。冷蔵庫で一晩寝かせる。
3.ボウルに卵を加えてよく混ぜる。地瓜粉(さつまいも粉)をまぶして、余計な粉をはたいて落とす。
4. 油を180度くらいに熱して、衣をつけた豚肉をそっと入れる。片側2分ずつくらいを目安に揚げて、きつね色になったら取り出して油をきる。
【補足】
揚げ排骨に使う豚肉は、骨付きのタイプを選ぶとより本場の味わいに近づきます。ただ日本でも台湾でも一般的なスーパーに必ず売っているわけではないので、今回はとんかつ用の豚ロースを使っています。
台湾の揚げ排骨では粗めの地瓜粉(さつまいも粉)を使うことが多いため、レシピではそちらを記載しています。地瓜粉がない場合は、片栗粉を使ってもOKです。
ちなみに、さつまいもパウダーは日本でも手に入るようです。大型スーパーの製菓コーナーやネットショップ等でも販売されています。
さつまいもパウダーほんのり甘くておいしいうえ、デザートづくりなどにも活用できて便利! 私は余った粉で地瓜球(台湾のおやつで、もちもちのさつまいもボール)をつくろうかなと思っています。
豚肉を揚げるにあたり、レシピでは粉をまぶして竜田揚げのような感じで仕上げました。そのほか、ボウルに卵を入れるときに粉を一緒に加えて混ぜ、そこに豚肉を浸けてから揚げる方法もあり。
いわゆる台湾の雞排(台湾風唐揚げ)のようなさくさくジャンクな揚げ排骨ができて、これも違ったおいしさです。興味のある方は試してみてくださいね。
「ミニュイの台湾シリーズ」について
ライターおよび料理家である筆者が、台湾の食や文化を現地で学ぶ「ミニュイの台湾シリーズ」。日本にいる頃にはじめた旅ごはんとお酒にまつわるソロプロジェクト「Minuit(ミニュイ)」の活動として、主に本サイトにて発信を続けています。
自身の目で見て体験する現地での生活、食文化、お出かけ先や旅行先でのあれこれを、写真とともにご紹介していきます。詳しくは第一回記事(台湾の食と文化を伝える、ミニュイの台湾シリーズ)をご一読ください。