【台湾の麺料理】夏にぴったりの甘辛テイスト
台湾式炸醤麺の作り方【レシピ】

器に盛りつけられた台湾の炸醤麺
台湾あれこれ

夏に食べたい台湾の麺料理いろいろ

夏が近づいてくると、さっと作って食べられる麺の出番が多くなります。日本ではありとあらゆる麺料理をいただけますが、台湾にも多種多様な麺料理が存在していて、どれもおいしい!

あつあつのスープ麺はクーラーで冷えた身体をあたためてくれますし、夏バテ気味なときや食欲がないときにはひんやり冷たい麺もありがたいものです。

この1、2カ月の間、チャオさんからも麺料理を教わる機会がしばしばありました。これからいくつかの記事に分けてご紹介していきたいなと思っています。

台湾の麺にまつわる記事は、こちらもどうぞ。

パンチの効いた味わいを楽しめる炸醤麺

まずはじめにご紹介するのは、炸醤麺(ジャージャン麺)。中華料理店やラーメン屋さんでもよく目にするこちらのメニュー、もともとは中国・山東省を起源とする麺料理なのだそう。

豚肉と野菜を炒めて豆板醤や甜麺醤で味つけしたコクのある肉味噌を麺にからめて食べると、とってもおいしいですよね。

お椀に盛りつけられた台湾の炸醤麺

上の写真は、私が台北の水餃子専門店「阿娥水餃」で食べた炸醤麺です。細切りのきゅうりやもやしのシャキシャキとした食感もバランスがよくて、あっという間に完食。

一般的に日本や中国で食べるものより、台湾の炸醤麺は甘めな味つけなのかなと思います。

たくさんの具材が入った台湾式炸醤麺

さて、私が先日チャオさんから教わったのは、炸醤麺のなかでもいろいろな具材を取り入れてつくる「八寶(バーバオ)炸醬麺」です。「八寶」とは八個の宝の意味で、「八宝菜」なども同様の使われ方をしています。

八寶炸醬の具材としてよく使われるのは、豚ひき肉、にんじん、たけのこ、豆干(干した豆腐)、しいたけ、海老など。それらを「切丁」というサイコロのような形にカットして、調味料とともに炒めて煮込みます。

大きな鍋に入った台湾の炸醤麺の具材

八寶炸醬について、「イタリアのカポナータみたいなイメージでつくっているよ」というチャオさん。その言葉どおり、オリーブオイルで具材を炒めたり、一般的にはあまり使われない玉ねぎやグリーンピースを加えたりして、独自のアレンジで仕上げてくれました。

台湾式の八寶炸醤麺の作り方

【材料】

玉ねぎ、青ねぎ、ニンニク、赤唐辛子(あれば生)、豚肉(バラやロースのほかひき肉でもOK)、にんじん、干し豆腐、たけのこ、きゅうり、銀杏、海老、グリーンピース(あれば生)、オリーブオイル、豆板醤、甜麺醤、醤油、水、麺(乾麺でも生麺でも)

台湾の炸醤麺に使われる食材

【下ごしらえ】

玉ねぎとニンニクはみじん切り、青ねぎと赤唐辛子は小口切りにする。豚肉は細切り。にんじん、干し豆腐、きゅうりはそのままさいの目切り、たけのこは茹でてからさいの目切りにする。海老は茹でて食べやすい大きさにカット。銀杏も殻と皮をむいて茹でておく。グリーンピースは下茹でする。

海老の殻を剥いているようす

【作り方】

1.鍋にオリーブオイルを入れて熱し、玉ねぎ、青ねぎ、ニンニク、赤唐辛子を入れて炒める。

鍋でにんにくや唐辛子を炒めているようす

2.豚肉を加えて、色が変わるくらいまで炒める。

鍋で豚肉と香味野菜を炒めているようす

3.にんじん、干し豆腐、たけのこ、きゅうり、銀杏を加えてさらに炒める。

鍋で台湾の炸醤麺の具材を調理しているようす

4.豆板醤、甜麺醤、醤油、少しの水を加えて弱火でしばらく煮る。

鍋で台湾の炸醤麺の具材を調理しているようす

5.最後に海老とグリーンピースを加えて混ぜ合わせたら八寶炸醤のできあがり。

鍋で台湾の炸醤麺の具材を調理しているようす

6.麺を茹でてお湯を切り、器にもりつける。八寳醤をたっぷりかける。好みで青ネギをトッピングしても。

【補足】

※台湾の一般的なレシピでは、オリーブオイルや玉ねぎは使われません。
※グリーンピースは生のものがなければ、枝豆やほかの豆で代用してもOK。
※海老とグリーンピースは煮込みすぎないように、最後に混ぜ合わせるくらいの感覚で入れるとよりおいしく仕上がります。

八寶炸醤麺をいただきます

できたての八寶炸醤麺を試食してみました。今回使ったのは、台湾で「手工麺(手づくり麺)」と呼ばれる、きしめんのような太めでモチモチの麺。

器に盛りつけられた台湾の炸醤麺

豆板醤と甜麺醤を合わせてつくる甘辛い味噌だれに、お肉と野菜の旨みが加わった八寶炸醤。調味料使いはシンプルなのにコクがあって、とてもおいしい! ひと口ごとに、それぞれの具材の食感や味わいを楽しめるのもいいですね。

台湾式の八寶炸醤麺に合わせたワイン

今回、炸醤麺に合わせたのは、フランス・ロワール地方の生産者 Clos de l’Élu がつくるロゼ(オレンジ)ワイン Le Baiser d’Alexandrie。

ロワールの地ブドウであるグロローをアンフォラという陶器で醸したワインで、ほどよいタンニンと柑橘の香り、スパイシーなフレーバーが特徴的です。

フランスのロゼワインのボトルとワイングラス

唐辛子のピリッとした辛み、そして食材の旨みが感じられる八寶炸醤によく合うワイン。台湾料理にはもともとロゼやオレンジが合いやすいと思っているのですが、その中でも「これだ!」というマリアージュが見つかると、なんともうれしいものです。

さいごに

それぞれの具材の下ごしらえは必要ですが、あとは順番に炒めて軽く煮込むだけなので簡単! 麺は、乾麺でも生麺でもお好きなものを使ってもらえたらと思います。

麺と一緒に食べるのはもちろん、そのままおつまみにしたり、ごはんにかけて丼ものにしたりとアレンジも可能です。常備菜にもなる便利な八寶炸醬、ご興味のある方はぜひ一度つくってみてくださいね。

「ミニュイの台湾シリーズ」について

ライターおよび料理家である筆者が、台湾の食や文化を現地で学ぶ「ミニュイの台湾シリーズ」。日本にいる頃にはじめた旅ごはんとお酒にまつわるソロプロジェクト「Minuit(ミニュイ)」の活動として、主に本サイトにて発信を続けています。

自身の目で見て体験する現地での生活、食文化、お出かけ先や旅行先でのあれこれを、写真とともにご紹介していきます。詳しくは第一回記事(台湾の食と文化を伝える、ミニュイの台湾シリーズ)をご一読ください。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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