台湾の食通が案内する
台北・東門市場ローカル散策ツアー

台湾あれこれ

「ミニュイの台湾シリーズ」について

ライター兼料理家である筆者が、台湾の食や文化を現地で学ぶ「ミニュイの台湾シリーズ」。旅ごはんとお酒にまつわるプロジェクト「Minuit(ミニュイ)」の活動として、主に本サイトにて発信を続けています。

自身の目で見て体験する現地での生活、食文化、お出かけ先や旅行先でのあれこれを、写真とともにご紹介していきます。詳しくは第一回記事(台湾の食と文化を伝える、ミニュイの台湾シリーズ)をご一読ください。

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「初耳/hatsumimi」の取材を受けました

少し前のことになりますが、台湾のウェブメディア「初耳 hatsumimi」にて、取材&インタビューをしていただきました。スタッフのみなさま、素敵な記事にしていただき、ありがとうございます!

台湾料理レストラン「四知堂」のオーナー超文さんが、友人である日本人夫妻を連れて東門市場巡り→料理レクチャー→お酒と食事を一緒に楽しむ。そんなある週末のできごとを記事にしていただきました。

記事へのリンクはこちら→正夏季的苦瓜、筍子、黑鮪魚 X 正台味的油蔥、油雞、吻仔魚——四知堂老闆獻給日本友人的奢侈台味記

文章はオール中国語(繁体字)ですが、素敵な写真がたくさん載っていて、眺めるだけでも雰囲気が伝わるかなと思います。夫婦で出演していますので、よろしければご覧くださいませ。

賑やかなローカルマーケット・東門市場

観光スポット・永康街にもほど近い東門市場は、古い歴史を持つ伝統市場。クオリティの高い食材が集まる「美食市場」としても知られています。

当日は私もカメラとメモを持って参加しました。これまでにも何度か訪れたことのある東門市場ですが、現地の人に連れられてゆっくり見回るのははじめて。もともと海外の市場巡りが大好きな夫婦ふたり、期待は高まるばかりです。

今回取材に来てくれたのは、「初耳 hatsumimi」の編集さん、ライターさん、カメラマンさんの3人。はじめましての挨拶をしながら、超文さんが来るまでしばしおしゃべり。

「初耳 hatsumimi」の可愛いイメージキャラクターが登場! 可愛いステッカーと、自家製辣油のおみやげもいただいてしまいました。

台湾スイーツ・豆花をいただきます

そうこうしていると超文さんも到着。さっそく市場を案内してもらうことに…と、その前に立ち寄ったのが、市場内にある江記東門豆花。

江記東門豆花は、昔ながらの豆花(豆乳を使った台湾のデザート)が味わえるお店です。ピーナツと生姜入りのシロップに浸った豆花は、とろんと柔らか! 甘すぎずシンプルなおいしさで、火照った身体を心地良く冷やしてくれます。

週末の東門市場でおいしい食材探し

豆花をいただいた後、いよいよ市場散策がスタート。

外国人から見るとどこのお店で買えばいいのかな?と迷ってしまいそうなところですが、さすがはこの市場を熟知している超文さん。お肉、魚介、野菜…それぞれおいしいお店を分かっているようで、順番に案内してくれました。

このときはまだ初夏の暑い日だったので、季節の野菜や食材は春から夏にかけて旬を迎えるものが中心でした。新鮮なタケノコの選び方を教えてもらったり、台湾ならではの魚介を紹介してもらったり。

老夫婦のおふたりが営む精肉店にも立ち寄りました。めずらしい部位を眺めながら、「今日はお粥をつくるときにこれを使うよ」「ここの豚足はとても新鮮でおいしいんだ」などという超文さんの話に聞き入るのでした。

巨大なクロマグロにはまぐり、海老…たくさんの海鮮も次々に購入。何を作るかまだしっかり聞かされていない私たちは、楽しみで待ちきれません!

東門市場には名物グルメがいっぱい

市場内を歩いている途中に「有名なおやつのお店があるよ」と連れていってもらったのが、こちらも老舗の利隆餅店です。蔥燒餅と呼ばれる焼きまんじゅうのようなおやつが名物なのだそう。

知らなければ通りすぎてしまいそうな小さなお店ながら、たくさんの人で賑わっていました。

私たちは、超文さんおすすめの蘿蔔絲餅(干し大根入り焼き餅)をいただきました。熱々の生地にぎっしり詰まった蘿蔔絲は、旨みのなかにピリッと辛みがあって、ビールが飲みたくなる味わいでした!

市場には、生鮮食品だけでなく調味料や乾物、お惣菜などもたくさん並んでいます。先ほどの蘿蔔絲餅ができあがるのを待つ間、近くの商店で調味料をチェック。

私たちはここで、油葱酥(揚げエシャロット)の入ったラードの瓶詰めを購入しました。

また同じお店で売っていた鹹蛋(あひるの塩漬け卵)は、「後で食べてみる?」と言って超文さんが買ってくれました。台湾では、料理をつくるときやお粥を食べるときなどに欠かせない定番の食材なのだとか。

その後も、果物屋さんで桃漬けを味見させてもらったり、旬が始まったライチの大粒を試食させてもらったり。現地の人たちとのコミュニケーションをまじえながらの市場散策は、ほんとうに楽しいものでした。

季節の食材でつくる夏メニュー

市場でのお買い物が終わり、一行は次の会場であるTUA四知堂へと向かいました。この日購入した食材を使って、いくつかのメニューを実演してもらいながら超文さんに教わります。

はじめの一品は、茹ではまぐり。さっと煮ただけのはまぐりは、弾力があってジューシーです。生姜とねぎの風味がピリッときいたスープも美味!

大きなクロマグロはステーキで。レモンをぎゅっとしぼって、豪快に味わいます。

ほかにも次々にお料理が運ばれてきます。台湾風の茹で鶏、ゴーヤと海老の炒めもの、豚スペアリブと大根のスープ。

「初耳 hatsumimi」スタッフのみなさんとも一緒にテーブルを囲んで、わいわいと食事を楽しみます。

具だくさん!夏にぴったりの台湾式お粥

日本では病気になったときの養生食としてつくられることが多いお粥。「台湾には、食事として楽しむおいしいお粥があるんだよ」ということで、肉粥(台湾式お粥)の作り方を教わりました。

肉粥の詳しい作り方については、別記事(下記リンク)で改めてご紹介したいと思います。

朝食にもおつまみにもぴったり
台湾式のおかゆ・肉粥のおいしい作り方

台湾のお粥に入れる食材は自由度が高め。この日は、豚肉、干し海老、しいたけ、ねぎ、香菜などの定番具材のほかに、しらすも用意されていました。

お米やその他の具材を炒めて、チキンスープでしばらく炊いて…。たくさんの食材が入った、贅沢なお粥が完成!

それぞれの素材から出る旨みがじんわりと口中に広がります。途中で鹹蛋を少しかじり、味わいの変化を楽しむのも台湾流。

台湾の肉粥は、思い立ったときにさっと作れるスピードメニュー。お茶漬け感覚でサラサラと食べることができて、暑い日でも食欲がすすむ逸品でした。

そういえば昔、台湾を旅行で訪れたときにも、朝からお粥を食べられる屋台が気に入って通っていたなあ、と思い出しました。こちらに来てからは外でお粥を食べる機会があまりないけれど、今度探して行ってみようかな、と思うのでした。

夏の台湾料理に合わせたお酒

私たち夫婦と超文さんが毎週食事を楽しむときに欠かせない、お酒。この日は食前酒として、洋梨を使ったナチュラルシードルをいただきました。

フランスのノルマンディー地方でつくられる、Eric BordeletのPoire Authentiqueです 。ほんのり甘口で、繊細な泡と上品でフレッシュな酸味が印象的でした。

そして、この日の主役ワインは、Domaine Peyre Rose が手がけるCoteaux du Langueddoc Oro 2002。フランス・ラングドックの造り手による、幻のワインと呼ばれている一本です。

豊潤な果実味とミネラル感、とろりとした蜜のような味わいにうっとり。この日いただいたシーフードや鶏肉にもぴったりで、お昼からぐいぐいと飲んでしまうのでした。

さいごに

自然体ながらプロフェッショナルな仕事ぶりで取材にあたってくださった「初耳 hatsumimi」スタッフのみなさん。私も取材を受けながら、その様子をカメラに収めさせてもらったり、普段はできない体験を楽しみました。

台湾と日本の食文化の違いについておしゃべりしたり、ワインの味わいを説明するときに中国語の表現を教えてもらったり…。たくさんの学びがあるとともに、楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

自分たちが普段どのように台湾文化にふれて、楽しんでいるのか。それを記録してもらえるのはとても嬉しいし、貴重な経験でした。ほんとうにありがとうございました!

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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