【寒露】シードルに合わせたい、きのことスモークサーモンのガレット【二十四節気の料理レシピ】
「台湾でたのしむ二十四節気」について
「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく2本立て記事のシリーズです。
毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。
寒露編ひとつめの記事は、下記のリンクからご覧くださいませ。
【二十四節気の料理17】寒露の時期に、きのことスモークサーモンのガレット
これからの季節に食べたい「きのことスモークサーモンのガレット」のレシピをご紹介します。
フランス・ブルターニュ地方が発祥とされるそば粉のクレープ、「ガレット・ブルトンヌ」。日本ではブルターニュ風ガレットとして知られ、最近では専門店も増えてきているように思います。
ブルターニュ風ガレットのつくり方はとっても簡単。そば粉を水でといた生地を平たいクレープパンで丸く薄く焼き、好きな食材をのせて四方を包むというもので、しょっぱい系から甘い系までなんでもOKです。
卵、ハム、チーズをのせた定番の「ガレット・コンプレット」のほかに私たちが今回つくることにしたのは、季節を感じるきのこ&サーモンを組み合わせたガレット!
あらかじめきのこをフライパンでソテーしておいて、スモークサーモンとともにのせるだけなので、具材に火が通っているか気にする必要もありません。
スモークサーモンにフランスの辛いマスタード「ムータルド エピセ」をぬり、仕上げにパセリをトッピングしました。ルッコラのようなフレッシュグリーンを添えて、一緒に味わうのもおすすめです。
疲労回復したいときやエネルギー不足なときにぴったりのきのこ類、胃腸をあたためて血の巡りをよくしてくれるサーモンをしっかりとって、来たる冬を元気に乗りきれるようパワーチャージしましょう。
きのこを使ったお料理のレシピはこちらもどうぞ。
サーモン(サケ)のレシピはこちらも。
きのことスモークサーモンのガレットのかんたんレシピ
【材料(つくりやすい分量)】
☆ガレット生地
そば粉150g、卵1個、冷たい水400ml、塩少々、はちみつ少々 (※これで6〜8枚分できます)
☆具材ほか(2枚分)
スモークサーモン2枚、きのこ類(エリンギ40g、マッシュルーム60g、しめじ80g)、有塩バター10g、塩こしょう適量、オリーブオイル適量、マスタード(できればホットマスタードなど辛いもの)適量、とけるチーズ適量、パセリ適量、ルッコラ適量(飾り用、ほかのサラダリーフでもOK)
【作り方】
1. 大きめのボウルにそば粉を入れて卵を割り入れ、冷たい水を加えながら泡立て器でよくかき混ぜる。
2. 粉っぽさがなくなったら塩、はちみつを加えてさらに混ぜる。生地が乾燥しないようにラップをして冷蔵庫にひと晩寝かせておく。
3. きのこはそれぞれ適当な大きさ、厚さにカットする。フライパンに有塩バターを熱してきのこを加え、塩こしょうをふり、火が通ってしんなりするまで炒める。
4. クレープパン(またはフライパン)に薄くオリーブオイルをぬり、中弱火で熱する。おたまに軽く一杯くらいの生地を流し入れて、クレープパンを傾けながらすばやく広げ、薄く丸い形になるようのばす。とけるチーズ、スモークサーモンを順番に重ねてからマスタードをぬる。
5. 数分間焼いて、丸く広げた生地のまわりが乾燥してきたらきのこのソテーをのせる。
6. 生地の裏側(焼いている面)を確認して、焼き目がついてパリっとしてきたら四方を折りたたむ。
7. できあがったらお皿に盛りつけて、もう1枚続けて同じように焼く。
※つくるときのポイント
クレープパン(フライパン)の大きさにもよりますが、上記の分量でガレット生地は6〜8枚くらいできると思います。生地を寝かせることで発酵がおこり、しっとりもっちりとした仕上がりになるので、最低でもひと晩は必ず冷蔵庫で寝かせるようにしてくださいね。また粉が沈んでしまうので、焼く前にもう一度しっかりかき混ぜるようにするのを忘れずに。
きのこは好みのものをだいたい同じ分量ずつ組み合わせてソテーしましょう。ちょっと多いかな?というくらいの量でも、火を通すとかさがへるので大丈夫。もし余っても、パンにのせたりサラダのトッピングにしたりアレンジは自由自在です。
今回は有塩バターと塩こしょうでシンプルに仕上げていますが、オリーブオイル&塩、ハーブソルト、少量のスパイス(クミン、チリパウダーなど)で味を変えるのもありです。
きのことスモークサーモンのガレットに合わせたお酒
ガレットの本場であるフランス・ブルターニュでは、名産であるシードル(りんごからつくられた醸造酒)をガレットとともに味わうのが一般的です。今回は、ブルターニュと同じくフランス北西部でシードルの生産がさかんなノルマンディー地方から、好きな生産者のボトルをセレクトしてみました。
ノルマンディー南部でビオディナミ(肥料や農薬を使わず、天体の運行に合わせて土壌やブドウの樹の本来の力を生かす有機農法の一種)のお酒づくりを行っているEric Bordelet。そのなかから選んだのはSIDRE Brut Tendre、中甘口タイプのシードルです。
うつくしい琥珀色をしたシードルは微発泡性で、グラスに注ぐとシュワッとはじけます。りんごやはちみつ、イーストの華やかな香りの印象は、口に含むとさらに魅惑的なものに。甘みは十分ですがほろ苦さもあり、上品で洗練された味わいは食事系ガレットからデザートタイプまで幅広く合いそうです。
同じ生産者が洋梨を使ってつくるお酒「Poire(ポワール)」については、下記の記事でご紹介しています。よろしければこちらもご一読ください。
さいごに
そば粉をベースにして薄く焼き上げるガレットは、軽い食感でひとり2枚ずつくらいはぺろりと食べられてしまいます。ガレットを焼くときには必ず定番の「ガレット・コンプレット」を食べる我が家、今回も冷蔵庫にあった卵、ハム、チーズでぱぱっとつくったのでした。
きのこ&スモークサーモンのときよりもさらに薄めの生地にして焼き上げて、卵の白身が固まったら早めに取り出します。お好みで塩こしょうをしてもよいですし、マスタードを添えていただくのもまた美味。
遅めの朝食や軽いランチに、ちょっとしたおやつに。自家製ガレットとシードルのおいしいペアリングを、ぜひ一度楽しんでみてくださいね。
秋に食べたい料理レシピ、こちらもよろしければどうぞ。