【薬膳おつまみレシピ25】
かきのもとのお浸し【冬の料理】

器に盛りつけられたかきのもとお浸しといくら
食とお酒

季節の食材でつくる薬膳おつまみ

薬膳マイスターのほか、ワインエキスパートおよび唎酒師の資格を持つ筆者が、季節の食材でつくる薬膳おつまみレシピ、そしてそれに合うお酒をご紹介します。詳しくは第一回目の記事をご覧くださいませ。

薬膳おつまみレシピ25
かきのもとのお浸し

青果店やスーパーマーケットに並ぶ食用菊「かきのもと」をご存知ですか?

筆者の出身地・新潟では、この時期には欠かせない食材のひとつ。新潟のほか東北地方でも日常的に食べられており、「もって菊」や「もってのほか」とも呼ばれています。

晩秋から冬にかけて出まわるのが一般的ですが、地方によっては通年手に入ります。鮮やかな紫色や黄色の花びらは見た目にも美しく、お浸しや酢のもののほか、お吸い物や天ぷらなどに用いられることも。

今回は、かきのもとならではの甘みとしゃきしゃきとした食感を楽しめる、定番レシピをご紹介します。

器に盛りつけられたかきのもとお浸しといくら
贅沢にいくらをトッピング

かきのもとのお浸しの作り方

〔材料(作りやすい分量)〕

かきのもと 1パック
酢 少々
だし汁 大さじ2
醤油 大さじ1
練りからし 適量
いくら 適量
炒りごま 適量

お皿にのったフレッシュなかきのもと
購入したらできるだけ早く調理を

〔作り方〕

1.かきのもとはそのままさっと洗い、ガクと中心部分を残して花びらを取る。
2.鍋に水を入れて沸騰させ、酢を加える。再度沸騰したら花びらを入れて、菜箸で全体がお湯に浸かるよう茹でる。
3.30秒ほど茹でたら、かきのもとをざるにあげて広げ、冷ます。水気を切ったら器に盛り付ける。
4.だし汁と醤油、練りからしを混ぜ合わせて、かきのもとにかける。いくらと炒りごまをトッピングする。

ざるに広げられた調理済みのかきのもと
酢を入れて茹でると色鮮やかに

薬膳メモ

菊の花は、中国では古くから延命長寿の花として大切にされてきました。薬膳の世界では、食用はもちろん漢方酒やハーブティーの材料として用いられることもある食材です。

主に、眼精疲労や風邪による喉の痛み、咳、解熱、頭痛の緩和などに効果があるといわれています。また解毒作用だけでなく、気分を落ちつかせるリラックス効果もあるのがうれしいところ。

料理をおいしくする+1のアイデア

かきのもとの中心部分にある短い花びらは苦味が強いので、周りの長い部分のみ取るようにしましょう。ガクの部分をそっと持ち、軽くつまむときれいに取ることができます。

合わせたいのはこんなお酒

かきのもとの繊細な味わいに合わせるお酒は、日本酒なら生酒をはじめフルーティーでみずみずしいもの、個性の強すぎない辛口の純米吟醸酒がおすすめ。

焼酎にもぴったりですが、芋などの香りが強いタイプより、米や麦などのすっきり軽めタイプの方が合いやすいはず。

例えばこちら↓

裏・雅山流 本醸造無濾過生酒 香華〔山形・新藤酒造店〕

山形の日本酒 裏雅山流のボトル
「雅山流」の裏シリーズとして人気

山形県米沢市で、吾妻山系の伏流水と厳選された酒米を用いて伝統的な酒造りを続ける「新藤酒造店」。若き10代目の自由な発想で生まれた「裏・雅山流」シリーズから、低温仕込みの本醸造無濾過生酒をチョイスしました。

生酒ならではのフレッシュさと、吟醸酒を思わせる華やかな香り。凛としていながらも軽い飲み口が、かきのもとの上品な風味を引き立ててくれます。

冬におすすめの薬膳おつまみ、こちらもどうぞ。

次回もどうぞお楽しみに!

注記: 本記事は、日本酒情報サイト『osakelist』にて連載していたレシピ記事に加筆・訂正を加えたものです。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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