【旅エッセイ】オペラ座周辺〜シャンゼリゼ通り 美しい夜景を楽しむ定番のパリ観光【フランス・パリ】
フランス・パリ編は下記の記事からスタートしています↓
前回の記事はこちら。
〈旅エッセイ〉3 フランス(パリ)
2日目 夕方〜夜
サン=ジェルマン=デ=プレ界隈を散策した後、オペラ座周辺を目指してふたたび歩きはじめた私たち。
まずは、FORGE DE LAGUIOLEのショップへ立ち寄った。
「LAGUIOLE(ラギヨール/ライヨール)」とはフランスの南西部にある刃物の産地のこと。ソムリエナイフはもちろんカトラリーなども生産される場所で、いくつかのブランドは世界的にも有名だ。
FORGE DE LAGUIOLEのソムリエナイフは、丸みを帯びた優雅なフォルムが特徴。現地に行かずとも、ここパリのショップでも買い求めることができる。
店内を見ながらあれこれ悩んだ末、気に入ったソムリエナイフを専用ケースとともに購入した。フランスに行くならおみやげに買って帰りたいねとふたりで言い続けていたので、その夢が叶ってとてもうれしい。
お店を出た後も、セレクトショップのコレットをはじめ気になるお店に立ち寄りながら、ひたすら歩き続ける。
オペラ・ガルニエに到着する頃にはすっかり日も暮れて、ここからは夜のパリ観光。ガルニエ宮のライトアップされたファサードはとても美しくて、うっとりしてしまう。
スケジュールの関係で今回はパスしてしまったオペラ座鑑賞。いつかふたりでおめかしをして、ゆっくりとオペラやバレエの鑑賞を楽しんでみたいものだな。
2月のパリ、夜はとても寒い。歩いてコンコルド広場にたどり着く頃には凍えそうになっていて、そのときたまたま目の前にあった観覧車(Grande Roue de Paris)に乗りこんでみた。
観覧車の中は密閉されているわけではなく、寒いのには変わりないけれど…。シャンゼリゼ通りから凱旋門までのロマンティックな夜景を楽しめたし、ルーブル美術館を見下ろす経験はなかなかできない貴重なものだと思った。
思えば私たちは、旅先でよく観覧車にのってきた。日本では札幌、横浜、大阪、海外ではタイのバンコクなど。
そのときに目にうつる景色、特別に目をとめた何か、そこで生まれた会話も、ふたりだけのもの。閉ざされた空間のなかで旅の記憶を共有できるというのはとても魅力的だ。
このパリの観覧車で夫と見た景色も、私は一生忘れないだろうと思った。
さて、地上に戻ってきたものの寒さは厳しくなる一方だ。このままでは風邪をひいてしまう…! 危機感をおぼえて、そのあたりにあったカフェバーに駆けつけ、ホットワインを一杯ずつ飲むことにした。
アルコールで身体をあたためようという作戦は功を奏して、縮こまっていた手足もようやく元どおりに。このまま出たくない、という気持ちを抱えつつもふたたび外へ。
シャンゼリゼ通りに来たら、見ておきたいのはやっぱり凱旋門。とはいえ定番の観光スポットにはあまり興味がないふたり、記念撮影をしただけで退散。
一日中歩き続けていたため、足腰はかなり疲労がたまっている。無理せずタクシーに乗って、宿泊ホテルの近くで食事を済ませることにした。
タクシーを降りて少しだけ歩いていたら、雰囲気のよいビストロを発見。事前に下調べも何もしていないけれど、直感を信じて入ってみる。
ふたりともあまりにも疲れていて、やや口数が少なめ。それでも白ワインのボトルを頼んで乾杯するのだけはやめられない。
寒くても疲れていても、飲んでいるうちにみるみる復活していくのだからお酒好きというのはやっかいなものだ。
気さくな店員さんにおすすめを聞きながら料理をオーダー。
シャルキュトリーの盛り合わせは大盛りだし、鶏もも肉の煮込みには食べきれないほどのマッシュポテト。「軽く頼んでみることにしてよかった…!」と、内心ほっとする。お料理はとてもおいしくて満足。
歩きすぎたことを反省して、当初考えていた翌日のスケジュールを練り直す。移動にはできるだけ地下鉄とタクシーを使う、身体の声を優先してお互いに無理はしない。私たちは、このふたつを約束したのだった。
あとは近くのホテルで寝るだけ、と思うと、疲れもなんのその、どんどんワインがすすむ。明日はどんなおいしいものや素敵なものに出会えるかしら。グラスを片手に、ふたりのおしゃべりは止まらない。
旅にまつわる記事はこちらもどうぞ
旅エッセイ 1 台湾編もあります(完結済み)。下記からご覧ください。