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二十四節気と薬膳の話

ライフスタイル

二十四節気について

二十四節気とは、旧暦をもとに日本の四季を細かく分けたもの。私たちにとって身近なものでは、「立春」「立秋」や「夏至」「冬至」などがあります。

これはもともと東洋医学の世界で用いられてきた考え方ですが、日本にも古くから伝わっており、人々は二十四節気を参考にしながら季節の移り変わりを楽しみ、薬膳の知識を生活に役立てていました。

四季のある日本では、摂るべき食べ物や生活の中で気をつけることが季節によって変化します。自然の流れに合わせて心身のバランスをととのえることで、風邪や体調不良などから身をまもり、心地よく穏やかな毎日を過ごすことができます。

本サイトでは、薬膳の考え方を取り入れた季節のおつまみレシピもご紹介しています。よろしければこちらもご覧ください。

上海での薬膳との出会い

私が二十四節気や薬膳に興味を持ち始めたのは、上海で生活していた頃でした。「美容のために毎朝漢方のスープを飲んでいるの」、「喉が痛いなら梨を煮て食べるといいよ」など、ことあるごとにアドバイスをくれる周囲の中国人たち。彼らは小さい頃から家族や親戚に教わるなどして、「中医学」すなわち「薬膳」の考え方が自然に身についているようでした。

上海では、市場やスーパーにもたくさんの漢方食材が普通に売られており、料理やおやつにもよく使われています。季節に合わせて野菜を食べたり、食事の際には必ず中国茶や漢方ドリンクを飲んだり…。健康や美容に対する意識の高い友人が多かったおかげかもしれませんが、日本にいたときは知らなかったさまざまな事柄に、おおいに刺激を受けたのでした。

いろいろな話を見聞きするうちに、薬膳について勉強してみたいな、という気持ちが生まれた私。その後、日本に帰ってきた年の夏頃から薬膳の勉強をはじめました。

薬膳の資格を取得してよかったこと

帰国した年の冬には薬膳マイスター(国際薬膳食育師)の資格を取りましたが、よかったと思うことはたくさんあります。

どの季節にどんなものを食べるとよいか、体調が悪いときはどうすればいいかなど、薬膳の知識を生活にすぐに役立てられるようになったのは大きな変化です。また、その時期にしか食べられない野菜や魚など、旬の食材を積極的に食卓に取り入れるようになりました。

春夏秋冬の陰陽のうつり変わりや旧暦における伝統的な行事について学んだことで、季節ごとの年中行事やイベントをより楽しめるように。そのほか、私自身や夫も、以前に比べて体調を崩しにくくなったのはもちろん、肌や髪、爪など細部のあれこれも目に見えて変化してきました。

今は輸入食材店やインターネットなどで簡単に漢方食材や薬膳スープ、お茶なども手に入るようになりました。ふだんの食卓にこれらを少し取り入れるだけでも、体調や心の変化を感じることができるはずです。

二十四節気や薬膳をテーマにした愛用本

薬膳関連の本は日本語、中国語問わずたくさん所有しているのですが…。写真のものを含めた数冊を、ふだんから手元に置いてパッと開けるようにしています。

『二十四節気に合わせ心と体を美しく整える』は、時期ごとの体調管理のポイントや摂るべき食材のほか、日本のしきたりや歴史なども紹介されていて、読みものとして楽しめます。

また『きょうの料理 七十二候』の「七十二候」とは、二十四節気をさらに細かく区分したもの。こちらは、「きょうの料理」で紹介された料理がイラストと簡単なレシピつきでのっていて、いつ何を作るのがおすすめかとても分かりやすい! 「今日は何を作ろうかな?」と迷ったとき、マンネリ化を防ぐためのアイデア帳として役立てています。

左上は上海で購入した食材についての本で、漢方食材のレシピや症状別に摂りたい食材などが紹介されています。すべて中国語で書かれているため、上海で学んだ簡体字を忘れないようにするために、時々取り出しては眺めています。

ほかにも、『毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳』や『オトナ女子の 薬膳的セルフケア大全』といった本を日々の生活に活用しています。

季節の移り変わりを感じる毎日

自宅では、飾り棚に小さな黒板を置いて、その時期の二十四節気を手書きしています。旧暦によるので実際の期間には多少ズレがありますが、今がどの節気にあたるのかをだいたい把握できていればOK。

例えば写真にある「穀雨」は、春の雨が降りそそぎ、穀物がぐんぐんと育っていく時期。

これを七十二侯の考え方で細分化すると、以下のようになります。


4/20-24 「葦始生(あしはじめてしょうず)」
4/25-29 「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」
4/30-5/4 「牡丹華(ぼたんはなさく)」

本サイトでは、「台湾でたのしむ二十四節気」という2本立ての記事も連載しています。よろしければこちらものぞいてみてくださいね。

さいごに

二十四節気も七十二侯も、日本ならではのうつくしい言葉にふれて感性を磨けるというのがもうひとつの魅力。漢字を見ただけで、植物や動物のイメージが生き生きと浮かんでくるようです。

私たち夫婦は、外食やお酒、旅先での食べあるきも好きですし、海外ではローカル店や屋台の食べものも口にします。だからこそ、ふだんはできるだけ身体がきちんとととのうような食材を取り入れたいなと思っています。

薬膳の勉強自体はまだ道半ばですが、仕事にも少しずつ生かすことができているのが嬉しい限り。これからも、自分や家族のために、料理を楽しんでくれる周囲の人たちのために、マイペースに勉強を続けていきたいです。

注記: 本記事は、2017年に公開した内容に加筆・訂正を加えたものです。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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