【旅エッセイ】素敵なマレ地区観光 ポンピドゥ・センターでアート鑑賞【フランス・パリ】
フランス・パリ旅のエッセイ。前回の記事はこちらからどうぞ。
〈旅エッセイ〉5 フランス(パリ)
3日目 午後〜夕方
パリにあるアリーグル広場のマルシェを訪れて、生牡蠣をはじめとする新鮮な魚介料理をワインとともに味わった後。私たちは、パリ3区から4区に広がるマレ地区を目指して、のんびりと歩きはじめた。
別の日のスケジュールに入れていたマレ地区散策だけれど、次の目的地へ向かうついでに街の雰囲気を感じておくのもいいよね、とあえて予定にはない道を選んで気分のままに歩みをすすめる。
美術館やギャラリーがひしめく、ブラン・マントー通り(Rue des Blancs Manteaux)で、不思議なイラストを発見。
シャンソンや小説のタイトルにもなっているこの場所。フランス革命、処刑台、白いマントを着た僧など日本人にはあまりなじみのないキーワードと結びつけられていて、このイラストもブラックユーモアや何か仄暗いものを感じさせるようだ。
マレ地区にはユダヤ人街があって、中東料理のファラフェルが名物となっているそうだ。実際、街なかにはたくさんのファラフェル専門店があり、人気だと思われるお店のスタンドには長い行列ができていた。
私たちふたりは食事をしたばかりだったので、後日また改めて来ることにして今回はパス。
この日最大の目的地は、アート施設であるポンピドゥ・センター(ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター )!
美術(主にコンテンポラリーアート)が好きな私が、パリを訪れるときには必ず行こう、と思っていた場所。建物を目の前にして、「憧れの場所に、ほんとうに来れたのだ…!」としばし感激してしまった。
著名な建築家であるレンゾ・ピアノらが設計を手がけており、当初はあまりに斬新すぎるデザインだとして批判されたというエピソードを聞いたことがある。
配管設備がむきだしになっていて、赤や緑、青などのカラーリングが印象的な外観のポンピドゥ・センター。古い歴史的建築があつまるパリにおいては、たしかに奇抜で目立つかもしれない。
それでも開館後、周辺には多くのショップやレストラン、ギャラリーなどが新たにオープンして、今ではパリ旅行には欠かせない観光スポットのひとつとなっているよう。
ポンピドゥ・センターの前には、大きな広場がある。記念撮影をしたり、噴水あたりのベンチに座ってくつろいだり、たくさんの人々でにぎわっていて活気があった。
入り口でチケットを購入し、チューブのような形をしたエスカレーターに乗って美術館入り口へ。国立近代美術館では、ちょうどシュルレアリスム展が開催されていた。
ダリやマグリットといった有名アーティストの貴重な作品がずらりと並び、絵画、彫刻、インスタレーションなどさまざまな表現にふれることができて満足。
企画展のほかに常設展ももちろん鑑賞。館内はあまりに広くて、一日いても時間が足りなそうなくらい。この日も限られた時間のなかで見たいものを厳選してまわったけれど、必ずまた来たいなあと思った。
作品の前で口づけをかわす恋人たち。あまりに素敵な光景で思わずシャッターを切ってしまった。
芸術作品の前で、パートナーと愛の言葉をささやいたり、口づけをかわしたり。フランスらしい、といってしまうと語弊があるかもしれない。でも、私がフランスの文化を好きで魅了され続けている理由には、こういうものがたしかにふくまれているのだよな、と感じる。
美術館を出る頃には外は暗くなっていた。ライトアップされた建築もうつくしくて、この時間帯に来てみて正解だったと思う。
ホテルに戻る前に、気になって地図にチェックしていたジュエリーショップへ足を運んだ。そこはムッシュー・パリというお店で、小さな宝石をあしらった繊細なデザインがまさに私好み。
後日、大好きなフランス人女優のマリオン・コティヤールがこのブランドのジュエリーをまとって雑誌にのったということを耳にして、なおさらうれしくなったのを覚えている。
拙いフランス語で「試してみてもいいですか?」などと店員さんに話しかけながら、ゆっくりとジュエリーを選ぶ。ふだんはあまりアクセサリー類をつけないタイプなのだけれど…いざ試着して鏡を見ると、どれもほしくなってしまう。
さんざん迷って、ブルーの天然石がついたピアスを購入。日本に帰ってもずっとこれを大事にしよう。かわいらしいボックスを受け取り、ホテルに帰ったらさっそく身につけてみたいなとわくわくするのだった。
ホテルに戻り、少し休憩をしてから夕食に出かける予定だったこの日。時差ぼけがなおらず、またしてもそのまま眠りこんでしまった私。夫は初日と同様に近くのデリで軽食をテイクアウトして、ひとりでワインとともに食事を楽しんだらしい。
旅先ではいつも以上にエネルギーを消費するがゆえ、もともとは夜型な私でもしばしばこういうことが起こる(今回は時差ぼけが主な原因、だとは思う)。
忙しないスケジュールに移動、知らない人とのコミュニケーション、そして外国語を使う必要があること、それらは少なからず心身を消耗させる。早朝から深夜まで楽しみたい気持ちは人一倍あるのに…!
結局その日は食事もとらずに寝てしまったのだが、翌日は早めに起きて元気に一日をスタートすることができたので、よかったのかもしれないな。
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旅エッセイ 1 台湾編もあります(完結済み)。下記からご覧ください。