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【雨水】春の滋味をいただく
たけのこと長芋の鶏スープ 【二十四節気の料理レシピ】

器に盛りつけられたたけのこと長芋の鶏スープ
食とお酒

「台湾でたのしむ二十四節気」について

「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく記事2本立てのシリーズです。

毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。

雨水編ひとつめの記事は、下記のリンクからご覧くださいませ。

【二十四節気の料理02】雨水の時期には、身体を温めてうるおすスープを

春を代表する味覚であるたけのこと長芋、そして骨つき鶏を組み合わせて、台湾テイストのスープをつくってみました。

デトックス効果の高いたけのこと身体にうるおいを与えてくれる長芋(山芋)は、この時期に積極的に取り入れたいもの。シンプルな塩ベースのスープにはにんにくやしょうがの風味をしっかり効かせて、コクを出すために台湾醤油もほんの少し加えています。

ちなみに鶏肉も、脾臓のはたらきを助けて身体を温めてくれるうえ、消化にもよい優秀な食材です。今回は、市場でぶつ切りにしてもらった地鶏のもも肉を使いました。

器に盛りつけられたたけのこと長芋の鶏スープ

たけのこと鶏肉のスープは、台湾では「竹筍雞湯」という名で親しまれています。そのほか、長芋と豚スペアリブを煮込んだスープ「山藥排骨湯」も定番メニューです。台湾のスープ料理はさまざまな漢方食材を加えることも多く、お店によって違った味わいを楽しむことができます。

ゆでたてで甘い香りのするたけのこは、しゃきしゃきとした舌ざわりにほろ苦い独特の風味がたまらないおいしさ。ほろほろに崩れるまで煮た長芋、時間をかけて火を入れた柔らかい鶏肉と一緒に、熱いうちにいただきましょう。

たけのこと長芋の鶏スープのかんたんレシピ

【材料(つくりやすい分量)】

骨付き鶏(ももぶつ切り)、たけのこ、長芋、にんにく3〜4かけ、しょうが1かけ、ネギの白い部分、香菜、塩、こしょう、台湾醤油(ふつうの醤油でもOK)、紹興酒、鶏がらスープ、ごま油

【作り方】

  1. たけのこの下ごしらえをする。硬い穂先の部分をななめに切り落とし、蒸し鍋でしばらく蒸す。竹串がとおるくらいの柔らかさになったら取り出す。冷めてから皮をむいて、適当な大きさにカットする。
電鍋の内鍋に置かれた生のたけのこ

2. 骨付き鶏の下ごしらえをする。必要があれば軽く洗い、沸騰したお湯にくぐらせて2分ほどゆでてからざるに上げる。

3. 長芋は皮をむいて適当な大きさにカットする。にんにくは皮をむき、包丁で軽くつぶす。しょうがは薄切りにする。ネギは適当な長さにカットしておく。

ストウブの鍋で鶏肉を煮込んでいるようす

4. 大きい鍋に2の鶏肉とかぶるくらいの鶏がらスープ、にんにく、しょうが、ネギ、塩、紹興酒、台湾醤油少々を加えて中火で煮る。ふつふつとしてきたら火を弱めて、フタをして弱火のまま1時間ほど煮る。水が足りなくなりそうなら少しずつ継ぎ足す。

ストウブの鍋でつくったたけのこと長芋の鶏スープ

5. たけのこ、長芋を加えてさらに15分ほど煮る。最後にごま油をひとたらししたら混ぜ、味をみて塩または醤油を加えて調整する。最後にこしょうをふる。

6. 器に盛りつけて、香菜をトッピングしたら完成。

※つくるときのポイント

鶏の骨から出るだしがおいしいので、できれば骨付きの部位を使ってください。手羽先、手羽元などでもおいしくできます。鶏がらスープは、スープの素を使ってももちろんOKです。

ボウルに入ったぶつ切りの鶏肉

スープや煮込み料理をつくるときには必ず、骨つきのものか丸ごと一羽を買うことにしています。台湾の市場では、お肉も好きなものを選んで下処理してもらったり、つくる料理に合わせた切り方をお願いできたりするのでとても便利!

たけのこと長芋の鶏スープに合わせたお酒

たけのこと長芋の鶏スープには、あまり主張しすぎずすっきりとしたお酒が合いそう。ワインなら適度にフルーティーで酸味も苦みもあって、ミネラルがきいた白ワインかロゼワイン…。

そんなことを考えながらセラーから取り出したのは、オーストリアの自然派ワインの生産者Jurtschitsch Sonnhofが手がける白ワインMon Blanc。真っ白なラベルに色とりどりのお花が描かれたうつくしいデザインも、今の季節にぴったりです!

オーストリアのワイナリーJurtschitsh の白ワイン Monc Blanc

白い花や柑橘、カリン、キャンディなどの可愛らしい香りに、白こしょうのスパイシーさが見え隠れ。パイナップルのような酸味とぴりっとドライな飲み口が印象的です。

飲んだ後に感じるビターがたけのこに、青りんごのようなやさしい甘みは山芋にマッチ。ふきのとう、菜の花、芽キャベツ…ほのかな苦味を持つほかの春野菜にも合わせてみたくなりました。

さいごに

しょうがやネギも入っていて、ほろほろになったにんにくも一緒に味わうスープ。ひと口飲むだけで、ほっと身体が温まります。たけのこや長芋のおかげか、たくさん食べてもお腹が重たくならず、翌日に身体の調子がよくなるのを実感できました。

春の訪れは感じられるもののまだまだ寒さの残るこの時期、おうちでゆっくりスープをつくって味わうひとときはとても幸せなもの。前日に作り置きしておいて、朝食やランチにいただくのもおすすめです。

春に食べたいレシピ、こちらもどうぞ。

本サイトでは、台湾生活のなかでみつけたおいしいものやおもしろいスポット、現地の人々に教えてもらった素敵な文化などを記録する「ミニュイの台湾シリーズ」も連載中。

ブログでは、夫婦ふたり暮らしの台湾でのささやかな日常を綴っています。まずはこちらの記事からどうぞ。

Mizua

旅行雑誌の編集者兼ライター、週末バー店主を経て、現在は大好きな台湾での生活を楽しんでいます。本サイト「旅のあと ふたりのレシピ」運営のほか、台湾情報ブログも...

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