【清明】ワイン片手に台湾グルメ
ネギとしらすの蛋餅(ダンビン)【二十四節気の料理レシピ】
「台湾でたのしむ二十四節気」について
「台湾でたのしむ二十四節気」は、台湾・台北で暮らす筆者が季節の暮らしや料理について記録していく2本立て記事のシリーズです。
毎回、ひとつめの記事では、その時期におすすめの過ごし方や食べるとよい食材などを、東洋医学および薬膳の考え方にそって記しています。またあわせて、実際に食材を購入した台湾の伝統市場やスーパーマーケット、ファーマーズマーケットなどもご紹介。
清明編ひとつめの記事は、下記のリンクからご覧くださいませ。
【二十四節気の料理05】清明の時期に食べたい、台湾朝ごはんの定番「蛋餅」
ひとつめの記事でご紹介したとおり、台湾では清明節に、野菜を巻いて包んだ春巻きやクレープなどを食べる風習があります。また卵を清明節に食べる習わしもあることから、「蛋餅(ダンビン、卵入りの台湾式クレープ)」を食べるのも縁起がよいといわれるようになりました。
蛋餅は、台湾の朝ごはんでは定番メニューです。もっちりとした生地には卵やネギ、チーズ、ハムやベーコンなどが巻かれていて、甘辛いたれをかけていただきます。
一般的には朝ごはんに買って食べるイメージの強い蛋餅ですが、家庭でも気軽につくることができます。野菜や肉類はもちろん、冷蔵庫に余っている食材を適当に加えて焼くだけでごちそうに!
今回は春にぴったりの食材であるネギ、そしてしらすを使って、オリジナルの蛋餅をつくってみることにしました。
ネギとしらすの蛋餅(ダンビン)のかんたんレシピ
【材料(約2枚分)】
中力粉60g、片栗粉小さじ2、水150ml、卵2個、塩ひとつまみ、こしょう少々、ネギ適量、好みの食材(ここではしらすとチーズ。ほかにハム、ベーコン、ソーセージなどもおすすめ)、米油(サラダ油でもOK)
【作り方】
1. ボウルに中力粉、片栗粉、塩、こしょうを加えて、水を少しずつ入れながら泡立て器でよく混ぜる。
2. ネギを小口切りにしたネギを加えてさっと混ぜ合わせる。別の器に卵を割り入れ、塩とこしょうを少し加えてよく溶いておく。
3. 底が平たいフライパンに油をひいて、軽く温める。お玉一杯分くらいの生地を流し入れて、まるく広がるようにフライパンを動かし、中弱火で焼く。
4. 生地が固まってきたら溶き卵を半分くらい流し入れて、生地と同様にまるく広がるようにフライパンを動かす。
5. 卵が固まってきたら一度裏返して、卵に軽く焼き色をつける。再び裏返して、チーズとしらすをのせる。
6. くるくると生地をおりたたむようにして巻いたらできあがり。包丁で食べやすくカットして、お皿に盛りつける。
※つくるときのポイント
レシピでは中力粉と片栗粉を混ぜて生地をつくっていますが、薄力粉、強力粉でもつくることができます。台湾では定番のさつまいも粉やタピオカ粉を加えると、よりもちもち、プルプルとした食感に。生地は、混ぜたときに少しゆるいかな?と思うくらいでも大丈夫です。生地の上に重ねた卵が、つなぎのような役割をしてくれます。
卵の入れ方も各家庭やお店によってさまざま。レシピでご紹介した方法のほかにも、生地の上に卵を直接割り入れてつぶしたり、生地と卵を別々で焼いてから重ねて巻いたり…。どれもおいしいので、慣れてきたら好みのやり方にアレンジしてみてもよいかもしれません。
たれは、通常だと醤油膏(甘い醤油)や番茄醬(台湾風トマトソース)、白こしょうなどをかけることが多いです。辛いものが好きな私たちは、台湾の醤油膏にタイの激辛シラチャーソースを混ぜて、少しずつつけながら味わいました(おすすめです!)。
ネギとしらすの蛋餅(ダンビン)に合わせたお酒
ふつうは朝食やおやつに食べられることが多い蛋餅ですが、お酒好きの私たちはやっぱり何かと合わせたい! ビールやハイボールでさっぱり味わうのもいいなあと思いつつ、最終的に選んだのはフランス・アルザス地方のスパークリングワイン、クレマン・ダルザスでした。
Brand & Fils という造り手が生み出すクレマン、Flèche Saignante Brut Nature Crémant d’Alsace Brut Natureは、アルザスワインらしい華やかな香りが印象的な1本です。
とろりとしてほのかにヨーグルトを思わせる酸味があり、飲んでみるとかりんや梨をはちみつ漬けにしたような甘みと苦みが広がります。ミネラリー感があってすっきりとしているので、複数の食材が組み合わさった蛋餅ともマッチ。夫とふたりで「この合わせ方、めちゃくちゃありだね!」と盛り上がりました。
さいごに
ネギとしらすの蛋餅をつくった後に、別の食材を入れてつくってみようと思いたった私たち。ワインに合いそうなものはあるかな?と冷蔵庫の中をチェックしたらハモン・セラーノとブリーチーズを発見! さっそくチャレンジしてみることにしました。
ネギ入りの生地は変わらずで、ハモン・セラーノと薄くスライスしたブリーを重ねて巻いたらすぐにできあがり。ハムの塩気ととろけるチーズが贅沢感のあるおいしさで、ワインがすすみます…! 次回つくるときも、サンドイッチ感覚でいろいろな食材をはさんでみようと思ったのでした。
春に食べたいレシピ、こちらもどうぞ。
本サイトでは、台湾生活のなかでみつけたおいしいものやおもしろいスポット、現地の人々に教えてもらった素敵な文化などを記録する「ミニュイの台湾シリーズ」も連載中。
ブログでは、夫婦ふたり暮らしの台湾でのささやかな日常を綴っています。まずはこちらの記事からどうぞ。